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【ナイルの風 中東のまつりごと】(3)ビデオで選挙監視 体制の壁の厚さも (1/3ページ)

2008.10.6 08:17
このニュースのトピックステロ
2005年11月のエジプト人民議会選挙で、投票所となった学校の入り口を警官隊が封じたため、裏の壁にはしごをかけて投票所に入ろうとする住民(シャルキーヤ県で。シャーイフィーンコム撮影の映像から)2005年11月のエジプト人民議会選挙で、投票所となった学校の入り口を警官隊が封じたため、裏の壁にはしごをかけて投票所に入ろうとする住民(シャルキーヤ県で。シャーイフィーンコム撮影の映像から)

 ■不正の瞬間とらえた

 女性たちのビデオカメラは、投票所から閉め出される有権者たちや、投票所で選挙監視に当たる判事が治安要員に恫喝(どうかつ)される姿をとらえていた−。2005年9月に実施されたエジプト大統領選と同年11月の人民議会(下院)選は力で立ちはだかる体制の“壁”の厚さを如実に「記録」した初の選挙ともなった。

 撮影したのは、エジプト国営放送の元アナウンサー、ブサイナ・カーメル(46)が中心となって立ち上げた「シャーイフィーンコム(あなたたちを監視している)」というドキュメンタリー制作集団。メンバーは、ムバラクの大統領5選阻止を掛け声に知識人や学生、左派活動家、ブロガーなど世俗派の市民運動家が混然一体となった民主化要求運動「キファーヤ(もう、たくさんだ)運動」の共鳴者たちだった。

 女性を中心としたメンバーたちは投票日当日、小さなビデオカメラを片手に各地の投票所に飛んだ。

                  ◆◇◆

 「国営放送で官製のニュースを読み続けていたけど、自分を裏切っているようで我慢できなくなった。それで、数々の不正が行われていると誰もが知っている投票所に足を運んでドキュメンタリーを作ったらどうかと思い始めた」と、ブサイナは振り返る。

 かつてブサイナの声は、多くのエジプト人を魅了した。1992年から98年まで続いた国営ラジオの人気番組「夜の告白」のパーソナリティーを務めたのがブサイナだった。この番組は視聴者からの電話を受け、ブサイナが話し相手となり、ときには人々の悩みを解決に導いた。夫婦間の不和や不倫、夫の暴力、レイプ被害者の心の傷、貧困をめぐる社会への恨み節、近所に住むイスラム、キリスト教徒間のもめごと…。さまざまな個人的「告白」を切り口に、エジプト社会の断面を浮き彫りにした。

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2005年11月のエジプト人民議会選挙で、投票所となった学校の入り口を警官隊が封じたため、裏の壁にはしごをかけて投票所に入ろうとする住民(シャルキーヤ県で。シャーイフィーンコム撮影の映像から)
2005年11月のエジプト人民議会選挙で、住民が投票所に向かうのを止める警官隊(シャルキーヤ県で。シャーイフィーンコム撮影の映像から)
1990年代にエジプト国営ラジオの人気番組「夜の告白」で人気を集め、2005年に民主化運動の一環としてドキュメンタリー制作集団を立ち上げたブサイナ・カーメルさん。現在、エジプトの民間衛星テレビで放送されている「私のことをわかって」という視聴者参加番組のパーソナリティーも務めている(今年7月11日放送の同番組より)
キファーヤ運動幹部のムハンマド・アブルガール・カイロ大学医学部教授

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