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ソマリアの海賊対策どうする 貨物船乗っ取り1週間 国連安保理決議も決め手なし (1/2ページ)
【シンガポール=宮野弘之】ロシア製のT72型戦車33両や武器を積んだウクライナの貨物船が9月25日にソマリア沖で海賊に乗っ取られてから2日で1週間経過したが、依然として膠着(こうちゃく)状態が続いている。今回の事件は欧州とアジアを結ぶ重要航路であるソマリア沖の海賊問題の解決が、国際社会にとって極めて重要であることを浮き彫りにした。さらに、事実上の無政府状態にあるソマリア自体も、イスラム原理主義勢力の伸長で、アフガニスタンに続く新たなテロリストの温床になるとの懸念も指摘され始めている。
貨物船はパナマ船籍でウクライナの会社が運航。ウクライナとロシア、ラトビア人の船員21人が乗船し、ケニアのモンバサ港に向かう途中、ソマリア沖で武装した海賊に乗っ取られた。現在ソマリア中部のホブヨ沖に停泊。米第5艦隊の艦船が監視を続けている。
ケニアのナイロビで海賊問題を追っている東アフリカ船員支援計画の当局者によると、海賊とウクライナの船主側の交渉は電話で行われており、2000万ドルを要求する海賊側にウクライナの船主側は減額を求め、決着にはなお時間がかかるという。
今回の事態を受け、ソマリア暫定政府当局者は、米国はじめ周辺海域に展開するフランス、英国などに海賊摘発を求めたが、各国とも自国民が直接かかわっておらず、逮捕してもソマリア国内での裁判さえ難しいため手をこまねいている。
国連安全保障理事会は6月、ソマリア領海内で海賊行為の取り締まりを行う権限を各国に与える決議を採択したが、「具体的な手段を定めず各国に判断を任せており、実効性に乏しい」(海運関係者)というのが実情だからだ。
ソマリア周辺海域とくにイエメンとの間にあるアデン湾は、欧州とアジアを結ぶスエズ運河に通じ、年間2万隻以上が通過する国際海運の要衝だ。しかし、ソマリアは首都モガディシオ周辺と一部地域以外、沿岸部はほとんどイスラム勢力が掌握。海賊は、沿岸部の港湾都市エイルなどを拠点にイエメン近海にまで出向いて船を襲撃している。