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【主張】パキスタン情勢 世界の懸念と期待に耳を

2008.2.21 03:35
このニュースのトピックス主張

 ブット元首相暗殺などで政情不安が続いていたパキスタンで、5年余ぶりに総選挙が実施され、ムシャラフ大統領率いる与党が惨敗、二大野党が大勝した。

 今後は野党を中心とした連立政権交渉が本格化する見通しだが、連立の行方やムシャラフ大統領の命運など不透明な部分は多い。

 8年間に及んだ事実上の軍政を支えた軍部の動きも含め、パキスタン情勢は予断を許さないものがある。

 パキスタンは世界で2番目に多いイスラム教徒(人口は約1億6000万人)を抱える国だが、イスラム圏で唯一の核保有国であるうえ、9・11米中枢同時テロ以来、米国をはじめとする国際社会の要請に応じ、テロとの戦いの最前線の役割を担ってきた。

 その国で、これまでの政策を進めてきた与党が大敗したうえ、政情がさらに不安定化するようなことがあれば、その影響は計り知れない。なによりも第1に核の管理、第2にテロとの戦いへの影響が懸念される。

 一方で、曲がりなりにも民主的な選挙を通じて民政が復活することへの国際社会からの期待は高い。

 パキスタンの新しい政治指導者たちは、こうした国際社会の懸念と期待にぜひ耳を傾けてほしい。

 他方、国際社会は内政干渉を避けつつも、パキスタンの核の管理には監視態勢を強める必要がある。混乱に乗じて核兵器や核技術がテロリストや独裁国家などの手にわたる事態は、何としても避けなければならないからだ。パキスタンの核開発の立役者、カーン博士を通じた核拡散の前例もある。

 パキスタンは1998年にインドの核実験に対抗して核実験を強行、核保有国となったが、インドと同様、核拡散防止条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)への署名、批准を拒んでいる。政権交代を機に改めて国際条約への参加を呼びかけたい。

 テロとの戦いでムシャラフ政権を支援してきた国際社会は、政権与党敗北の要因を分析することも必要だ。テロとの戦いや安定した核管理を続けるには、国民の支持を得られるような支援が不可欠だからである。

 対立しがちなインド、パキスタン両国と良好な関係を維持している日本の仲介の役割も小さくない。

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