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【主張】北朝鮮の核 米国は検証手順で譲るな

2008.8.28 02:45
このニュースのトピックス主張

 米国がテロ支援国家指定解除を遅らせていることを「6カ国協議の合意違反」として、北朝鮮が核施設の無能力化作業を一方的に中断した。核施設を元に戻すことも検討しているという。

 核施設の無能力化は、北が保有する核兵器・核物質などの申告とともに第2段階の主要課題だ。北が6月に核計画申告を提出したのを受けて、7月の首席代表会合では、無能力化を10月末までに完了し、申告は厳正な検証に委ねる原則で合意した。

 米国は(1)核施設の立ち入り調査(2)技術者らの聴取(3)追加資料提出−などを含む検証手順に応じるよう求め、見返りとしてのテロ支援国家指定解除を手控えている。

 今回の声明で、北は米国の求める検証手順が核拡散防止条約(NPT)脱退を招いた「特別査察」に等しいと反発し、「米国が合意を破ったので対抗措置をとる」と主張している。

 だが、北の言い分は明らかに筋違いである。そもそも6カ国の合意では北の核申告は「完全かつ正確」なものでなければならなかった。それなのに、提出期限も守らず、内容についてもウラン濃縮、核兵器保有量、第三国への拡散行為などが除外されてきた。

 初めから不完全な申告の中身を公正な検証に委ねるのは当然だ。日、韓、中国なども検証を求めており、米国の対応は間違っていない。しかも、核施設の無能力化は核申告の検証とは別ものだ。「行動対行動」をいうなら、北がまず公正な検証を受け入れて自らの義務を果たすのが筋である。

 声明は6カ国合意の破棄や協議終結には触れていない。テロ支援国家指定解除はのどから手が出るほどほしいはずだ。強硬な要求を突きつけて米国に譲歩させ、検証手順の大幅省略を狙っている可能性もある。

 核の検証と連動する指定解除は拉致問題を抱える日本にとっても重大な関心事だ。ヒル米首席代表らのこれまでの対応が性急に過ぎたことにも問題があり、米議会には検証に関する詰めの甘さを批判する声もある。米政府はそうした点も反省してほしい。

 北は拉致の再調査問題でも日本を揺さぶってくる可能性がある。そうした戦術に乗らないように、日米が結束して北に合意を守らせる必要がある。とくに核の検証は重要だ。米国は決して譲らずに、原則を貫いてもらいたい。

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