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【主張】拉致再調査 実行のチェックが不可欠

2008.8.14 03:19
このニュースのトピックス主張

 拉致問題をめぐる日朝協議で、北朝鮮が今秋までに再調査結果をまとめ、日本は北の調査開始と同時に制裁を一部解除することで合意した。調査結果も見ないままの制裁解除は時期尚早だ。

 今回、日本は「生存者を発見して帰国につながるような再調査」を強く求め、調査方法についても、北朝鮮中枢の権限ある機関が調査するよう提案するなど、具体的に細かく注文した。これまで、北の再調査に何度も煮え湯をのまされてきた日本としては、当然の要求である。

 これに対し、北は日本側提案をほぼ受け入れ、調査の進捗(しんちょく)に応じて日本側に随時通報することや、関係者との面会、関係場所への訪問などへの協力を約束した。調査対象も、日本政府が認定した未帰還の拉致被害者12人のほか、拉致された疑いのある特定失踪(しっそう)者らにも広げるとした。

 だが、現時点では、いずれも北の口約束にすぎない。あいまいな幕引きを許さないためには、途中で北に何度も報告を求め、その都度、疑問点や矛盾点を質(ただ)していく必要がある。場合によっては、日本の捜査当局が直接、関係資料などを確かめる必要もあろう。

 そのうえで、調査結果の中身が生存者の帰国につながるものでなければ、拉致問題が進展したとはいえない。制裁解除の判断はそれからでも遅くなかったはずだ。仮に、調査開始だけで制裁を一部解除するにしても、調査結果の中身次第で解除の取り消しもあり得るとの留保を付けるべきだ。

 北が拉致問題の再調査を約束したのは、6月中旬の日朝協議だ。その後、2カ月もありながら、北は何をしていたのか。6月下旬に米が北のテロ支援国家指定解除を通告したことで、得るべきものは得たとして、対日関係を軽視していたふしがある。調査終了時を今秋としたのも、秋の米大統領選をにらんだ時間稼ぎではないか、との疑いを否定できない。

 その米国は今月11日にも実施予定だった指定解除を先送りした。北が核計画の検証に全面協力する姿勢を示していない以上、当然の措置である。さらに、北の日本人拉致は、大韓航空機爆破犯などのテロリストを養成するために行った国家犯罪である。拉致というテロは今も続いている。

 日本政府は米国に対しても、軽々に指定解除をせぬよう、働きかけを怠るべきではない。

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