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【主張】コソボ独立宣言 対立避ける説得と対話を

2008.2.19 03:10
このニュースのトピックス欧州

 セルビア共和国南部のコソボ自治州が一方的独立を宣言した。欧米主要国は承認の方向だが、セルビア政府とロシアは分離独立に強く反対しており、情勢は不透明感に包まれている。

 コソボ情勢が深刻化したのは10年前、セルビア治安部隊とアルバニア系住民の衝突で1万人が殺された事件だ。翌年、流血をとめるために「人道的介入」を掲げた北大西洋条約機構(NATO)の空爆が行われ、その後国連暫定統治下で国連特使などの調停が続けられてきた。しかし、度重なる交渉も昨年末に決裂してしまった。

 人口200万人の9割を占めるアルバニア系の独立の希求はとめようのない現実だ。一方で、コソボを「セルビア正教の聖地」とするセルビア民族の歴史や伝統をめぐる情念も深い。

 欧米主要国が独立容認に踏み切った直接の契機は昨年秋、自治州議会で独立派が第一党となり、セルビア側では先の大統領選で親欧米派のタディッチ大統領が再選されたことだ。今後は4カ月の移行期間を経て国連暫定統治に幕を下ろし、代わって欧州連合(EU)主体の国際管理下で独立国家の体制づくりを支援するという。

 コソボ独立は旧ユーゴスラビア崩壊の「最終章」とも位置づけられる。だが、コソボはセルビア共和国内の一自治州にすぎず、すでに独立を果たした旧ユーゴの各共和国とは事情が根本的に違う。セルビアやロシアが独立を認めないばかりか、EU内部にも足並みの乱れがあるのはそのためだ。

 それだけに、コソボの今後を監督する役割を担うEUの責任はきわめて重いものがある。欧米主要国には、まずそのことを自覚してもらいたい。

 少数派となるセルビア系住民(約8%)の自由や権利の保障はもちろん、周辺との関係を調和させるには時間をかけて説得と対話の努力を積み重ねるしかない。経済的自立手段の乏しいコソボへの財政支援は、EUにとって少なからぬ負担ともなるだろう。

 「独立無効」を主張するロシアとの国連安保理での協議も紛糾している。民族対立が原因でおびただしい血を流してきたのがバルカンの歴史だ。その過ちを繰り返さない環境づくりが何よりも重要となる。独立承認には日本政府も国益にかなう判断が必要だ。

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