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【記者ブログ】北京五輪前後に読む本 福島香織 (4/4ページ)
このニュースのトピックス:福島香織の北京特派員記者ブログ
■余華氏はいう。「中国は非常に奇っ怪な社会、人類社会の奇跡だ。中国人は変わらない。そして変わるときはクレイジー」。五四運動、大躍進、文化大革命、2度にわたる天安門事件、そして改革開放、いずれも極端から極端へ揺れ動く狂気の時代だった。だから今後「狂ったように成長してきた経済が狂ったように衰退してもおかしくない」とも。
■まもなく、五輪。その短い宴のあとも、中国にはジェットコースターのような狂気の時代が待ち受けているだろうか。だが中国人は道徳や倫理を振り落としながらも、そのたぐいまれな生命力で時代にしがみついてゆけるはず、これまでのように。そして、ときどき過去を振り返り、失った良心のために一粒、二粒の涙を落とし、ささやかなカタルシスを得るのだ。日本人は、そういう中国人とは分かり合えないかもしれないが、心底は憎めないだろう。
■ちなみに同書を翻訳したのは、わが親友の泉京鹿さんだ。言葉ひとつひとつに悩み楽しみ、パソコンをたたきつぶしながら(彼女はものすごい力でキーボードを叩く)翻訳作業に没頭していた約2年の苦労を私は知っている。彼女の翻訳は、私が原作では好きになれなかった主人公・李光頭の複雑な魅力を日本人にもわかるように表現しており、おかげで原作を読んだとき以上のよい読後感を得ることができた。自分の中では、映画にするなら李光頭は周星馳がいいかな、と思っている。
<2008/08/06 13:31>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/