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【グローバルインタビュー】ダライ・ラマ実兄に聞く (5/5ページ)

2008.8.3 12:26
このニュースのトピックスチベット
ダライ・ラマと胡錦濤国家主席との直接対話を求めるギャロ・トンドュプ氏(相馬勝撮影)ダライ・ラマと胡錦濤国家主席との直接対話を求めるギャロ・トンドュプ氏(相馬勝撮影)

 

チベットは資源の「宝石箱」

 −−しかし、現状では進展がないと言わざるを得ない。この背景には、チベット問題に対して、妥協を嫌う保守派あるいは強硬派がいるからではないか。また、胡錦濤政権の政治的な基盤が弱いのではないかという指摘も一部に出ているが…

 「私からみると、毛沢東主席は偉大な指導者だった。トウ小平氏は重要な指導者だ。だが、その後の江沢民国家主席はそれほどでもないと思う。胡錦濤主席については、私がトウ小平氏に語った第一印象を信じたい。『彼のような指導者が増えれば、中国のさまざまな問題が徐々に解決されていくであろう』という印象だ。それにチベット問題に関する保守派、あるいは強硬派の存在だが、私はそうは思わない。話し合いが進展しない真の理由は、中国側がチベットの経済的な利権を握っており、今後もそれを独占しようとしているからだと思う。それは、中国人民解放軍が独占しているのだ。

 トウ小平氏は『チベットは宝石箱のようなものだ』と私に語ったことがある。その通りで、かつてのチベットの統治地域には多くの資源が存在している。木材や家畜、動物、ミルク、金や銀、ウラニウム、マンガンなどの鉱産資源だ。一説によると、中国共産党政権発足後、これらの地域では3億5000万平方メートルの森林が伐採されたという。その代価はすべて中国側に入っている。その他の資源も、軍系企業を中心にして独占されている。その富は膨大な額だ。自然資源ばかりでなく、寺院などの宝物も中国側に搾取されている。ダライ・ラマと中国との交渉が進めば、これらの資源に手を付けられなくなる。この問題を解決するのは非常に難しいとは思う。つまり、チベット問題に関しては保守派や強硬派の存在よりも経済利権が大きなネックになっているのだ。これは私の60年間の研究から得た結論だ。

 

今後のチベット情勢の展開

 −−なるほど、極めてわかりやすい理由ですね。ただ、このまま交渉の停滞状態に続くようならば、再びデモが起こるということも考えられるのではないですか

 「現在の交渉については、私は関与していないので、どういう状況かは分からない。しかし、現在のチベット情勢は、中国との交渉が成果もないままで、チベット自治区など中国内のチベット人ばかりでなく、インド在住のチベット人の間で不満が高まっている。私はインドで、ハンガーストライキをするという血気盛んな若者を止めるのに非常に苦労しているほどだ。ただ、世界各地で行われた北京五輪の聖火リレーを暴力で阻止しようとしたことがあったが、そのようなやり方では何も解決しない。新疆ウイグル自治区でウイグル民族の自立を目指す東トルキスタン・イスラム運動といったグループが爆発物を仕掛けたりするなどのテロ活動を活発化しているようだが、そのような行動は逆効果だ。あくまでも話し合いで解決すべきだ。このために、中国政府はダライ・ラマと胡錦濤主席のトップ会談を実現すべきであり、トップが会うことによって、解決することが多くなるのではないか。

 

日本政府に望むこと

 −−最後に、トンドュプさんが日本政府に望むことは…

「日本は国際的にも、特にアジアにおいて、非常に重要な国だ。チベットの実情を理解したうえで、日本の持つ発言力を生かして、国際社会を通じて、チベットと中国との対話を促進するよう働きかけてほしい」

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ダライ・ラマと胡錦濤国家主席との直接対話を求めるギャロ・トンドュプ氏(相馬勝撮影)
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