MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【記者ブログ】被災地から(4) 国際緊急援助考 福島香織 (1/5ページ)

2008.5.30 00:34
このニュースのトピックスメディア倫理

■やっぱり余震はこわい。きょうも余震があった。午後4時37分、陝西寧強が震源地でM5・7。外にいたので、あまり感じなかったが、成都市民は結構びびっていた。唐家山堰き止め湖のあたりも、依然緊迫した状況。綿陽市では午後4時、避難訓練があった。決壊レベル1では綿陽市33カ郷鎮が深さ30センチまで水浸しになるとかで16万人が避難。レベル3(全決壊)だと130万人が避難しないといけない。

■さて、唐家山の避難訓練の時間、私は成都で別の取材をしていた。日本の国際緊急援助隊医療チームが人工透析治療を公開する、というので行ってきた。代表取材にあたったのだ。華西病院敷地内の医療チームのテントには、スイカだの花束だの、市民や被災者家族の差し入れが一杯あったよ。中国メディアが日本の医療チームを好意的に報道したので、その報道をみて、「一言感謝がいいたい」「通訳ボランティアがしたい」という人たちがけっこうひっきりなしに訪れているようだ。田尻和宏隊長も「感謝の気持ちをこんな形で伝えてもらうと、やはりうれしいものです」と感激していた。

成都市民から感謝の花束をもらう田尻隊長。やらせではありません。本当に、地元紙をみて感激した成都市民が日本の医療チームのテントに、スイカやら扇風機やら花束をもってきて、ありがとうございます、とかいって涙ぐんでいる。ちなみに、この二人の女性は某有名火鍋チェーン店の職員の朱海英さん(33)と栄幸さん(24)。「日本人は本当にすばらしい!」と涙を浮かべていました。朱さんの旦那さんは被災地の?川の発電所で働いていて、あやういところだったそうです。

■被災者、市民から感謝された、という点でみれば、日本の国際緊急援助、成功である。でも、日本人の一記者として、今回の緊急援助のあり方を各国と見比べてみると、やはり感じるところがあったので、この問題について、まとめておきたい。一般人の目から見た今回の日本の国際緊急援助の問題点、所感なので、別に無視していただいてもいいのだが、日本が今後、よりよい国際緊急援助によって国際社会に貢献するために、ちょこっとは参考になるかもしれない、と思う。

■中国は欧米諸国や民主主義の途上国とはあきらかに違い、民主主義的自由はないけれど欧米なみに経済が発展し大国意識も強くプライドも高い部分がある、という極めて特殊な“独裁国家“で、こういう国が国際緊急援助を受け入れるのも初めてなら、国際緊急援助隊を派遣する側も初めての挑戦だった。

■中国は当初、国際緊急援助を受け入れるつもりはなかった。そういえる根拠は、日本外交筋が13日に中国外務省から、「極めて丁重なお断りがあった」と話している。13日時点では、中国は人的な国際緊急援助を受け入れない方針を固めていた。表向きの理由は交通が寸断されていて被災現場に入れない、ということだが、なにも現場は?川だけじゃないから、これはあくまで表向きの理由といえる。

■本当の理由は推測の域をでないが、ひとつは、震源地がアバ・キョウ族チベット族自治州という民族問題の火だねを抱えている土地であること。たとえアバに入らなくても、成都にもチベット族居住区があるし、被災者が流れてくる。そういうところで、あまり国際社会に見せたくない民族問題の本質が見られてしまうかもしれない、という心配があるかもしれない。私が直接目撃したのではないが、こちらにきているあるフリーカメラマンによると、成都北駅付近で24日で、大勢のチベット族が拘束されていた、という。そのカメラマンが目撃し、周辺の人に聞くと、チベット族の犯罪者が捕まった、と答えたという。地震の混乱に乗じて、チベット族がデモや抗議活動を活発化させるのではないか、という懸念は軍にある、と、その筋に詳しい記者からきいている。被災地の軍結集の素早さは、そういった火だねを抑えるする目的もあった、という見方がある。あくまでも、ひとつの見方であるが。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。