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パキスタン 対テロ戦へ不安な船出 アフガンテロ激化も
このニュースのトピックス:アジア・オセアニア
ムシャラフ前大統領による「軍事独裁」を脱したパキスタンは、新大統領の選出により、民主政治への歩みをさらに進めた。しかし、パキスタン国内や隣国アフガニスタンでの「テロとの戦い」は一段と難航しそうだ。
米軍や国際治安支援部隊(ISAF)が駐留するアフガンでは、治安が急速に悪化している。イスラム武装勢力タリバンや国際テロ組織アルカーイダがパキスタンの部族地域をねじろにし、越境テロを繰り返しているためだ。米国主導の対テロ戦にはパキスタン軍の協力が不可欠だが、今年3月に発足した人民党主体のギラニ文民政権は軍をコントロールできず、対テロ戦の士気が低下しているばかりか、3軍統合情報部(ISI)のメンバーがアフガンの混乱を狙ってタリバンに米軍の情報を提供しているとの疑惑まで噴出している。
米パ両国は、米国の強力な同盟者だったムシャラフ氏の大統領辞任後も、対テロ戦での連携の維持を強調してきたものの、「米当局者たちは、パキスタン政府内にアフガンでの米軍などへの攻撃を直接支援している者がいるらしいことに、怒りをあらわにし始めた」(米紙ニューヨーク・タイムズ)のが実態だ。
現地からの報道によれば、米軍は3日、部族地域で初の地上作戦を強行した。米国内では、パキスタンの抗議に構わず、米軍は一方的に軍事行動を取るべきだとの主張が広がりを見せている。
ザルダリ氏は、対テロ戦への協力を迫る米国と、反米感情を強める国民の板挟みになり、そのうえ自ら軍を統御できないという苦境に置かれることになる。今後、対テロ戦の難航で、アフガンでのテロがさらに激化することが懸念される。(岩田智雄)