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【正論】本番・米大統領選 日本側の政策遂行力が問題だ 同志社大学教授・村田晃嗣 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:オバマ次期米大統領
今月初め、日米でほぼ時を同じくして政治的サプライズが生じた。日本では福田康夫首相が辞任を表明し、アメリカでは、知名度のないアラスカ州知事サラ・ペイリン女史が、共和党の副大統領候補に指名されたのである。
ここには既視感(デジャヴ)も重なる。福田首相の辞意表明は1年前の安倍晋三前首相の無責任な辞任を彷彿(ほうふつ)とさせた。他方、ハリケーン「グスタフ」襲来での共和党大会の対応は、3年前の「カトリーナ」被害での政治的失敗から学習したものであった。さらに偶然を重ねると、去り行く福田首相とホワイトハウス入りに燃えるジョン・マケイン共和党上院議員は、ともに1936年生まれで72歳である。
日本では70歳代の首相は珍しくないが、マケイン氏が当選すれば史上最高齢の大統領となる。従って、当選してもおそらく1期限りの可能性が高い。そこで、副大統領候補の選定が格段に重要になる。高齢の大統領を代行しなければならなくなるかもしれないし、4年後の大統領候補になる可能性もある。ところが、マケイン氏が指名したのは無名の女性知事だった。まさにサプライズである。
予断許さぬペイリン効果
ペイリン知事の起用は一種の博打(ばくち)である。当面のマスコミの話題をさらうにはよいが、いつまで続くか。逆に、スキャンダル対策は十分か。また、無名の新人を副大統領候補に起用した分、民主党のバラク・オバマ大統領候補の経験不足を攻撃しにくくなるかもしれない。さらに、ペイリン知事では保守的にすぎて、ヒラリー・クリントン上院議員を支持した女性票に食い込むことは困難であろう。むしろ、その保守性ゆえに、共和党保守派の票固めという効果のほうが大きい。だが、党内保守派に接近すれば、中間層や浮動票の離反を招くから、厄介である。

