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【おもしろ競馬学 井崎脩五郎】 骨格から見える馬の進化
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脊椎(せきつい)動物というのは、きわめて範囲が広い。
近刊の写真集『BONES』(早川書房)を見ているとつくづくそう思う。
この本は、湯沢英治(写真)、東野晃典(文・イラスト・構成)、遠藤秀紀(解説監修)の3氏によって出来上がったのだが、とにかく、収められている脊椎動物の骨格写真の数の多いこと、範囲の広いこと。こういうものまで脊椎動物なのかと、あらためて思わされる。
ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウマ、といったほ乳類はもちろんのこと、サメ、マグロ、タイといった魚類、カエル、イモリといった両生類も脊椎動物なのである。さらに、ヘビ、トカゲ、カメ、ワニといった爬虫(はちゅう)類、カモ、サギ、ダチョウといった鳥類も、これまた脊椎動物なのである。
この『BONES』には、それら脊椎動物の骨格が、美麗きわまりないモノクロ写真で収められている。
なかでも興味深いのが、グレビーシマウマの「下あご」と「足」の写真。
下あごをびっしり埋めている歯並びがあまりにも見事で、解説に「繊維質を多く含む硬い草をすりつぶすための歯として、ウマの仲間の臼歯は完成度の高い形態をもつに至った。そして発達した臼歯とともに、大きな歯を支えるためのあごの骨、使いこなすための咬筋も顕著に発達している」とあった。
硬い草をすりつぶすなどの生息環境に適応するために、骨格の完成度をあげていくのが脊椎動物の特徴で、グレビーシマウマの足の骨など、天敵に追われて速く走るときに折れないように、頑丈このうえない造りになっているのが写真から分かる。その足の骨の横断面も、「単純な円形ではなく、いくらか四角い形へと変形していて、走行時の負荷に耐える構造になっている」とあり、進化を体感できる。
(競馬コラムニスト)