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【話の肖像画】56年前の夢特急(4)ヘルシンキ五輪陸上女子代表・星野綾子さん
■福島千里選手の走りに期待
−−北京五輪で福島千里(北海道ハイテクAC)が、56年前の星野さん以来となる陸上女子百メートルに出場します
星野 福島さんはとても初々しい感じがして好感が持てます。いい記録が出るかもしれないと、日本選手権(6月29日)を見に行ったんです。雨の中でしたけど、彼女は一生懸命走ってました。
−−ひたむきな姿勢
星野 そうですね。いまは選手の一部に、負けても「楽しみました」というコメントを平気でする人がいる。タレント気取りで。負けて楽しいはずがない。勝負の世界なのですから。その点、福島さんは真摯(しんし)に陸上に取り組んでいる感じがしますね。
−−記録をどうみますか
星野 A標準(五輪参加標準記録)が11秒32に対し、福島さんは日本選手権で11秒48、自己ベストでも11秒36のタイム。世界は直近の全米選手権などで11秒を切る選手が続出しています。五輪でもコンディションとか緊張とかいろいろあると思います。本番では思い切って走ってほしいですね。今回いい記録が出ればそれにこしたことはないけど、経験を積めば次の展望が開けてくる。ヘルシンキ五輪一回だけで引退した私が言うのも変ですけど(笑い)。
−−環境面はどうですか
星野 私たちの時代はスターティングブロックの存在すら知らなくて。五輪の記録映画でスタートラインにある器具を見て、「あれは何?」と仲間と驚いていたくらいですから。土だったトラックが今は全天候だし、スパイクやユニホームも進化しています。栄養や科学的練習法などあらゆる面で恵まれていますよ。といってもそれは他の選手もそうだから、一流になるのは難しいですね。
−−心がけることは?
星野 陸上、とくに短距離は持って生まれた才能が半分以上占めると思います。速筋と呼ばれる瞬発力の筋肉は天性に負うところが大きい。だからその才能のある人同士の競争となります。プラスアルファをいかに積み上げるかの勝負。陸上に専念できる環境に謙虚に感謝することも大切でしょう。そうした点でも、福島さんの走りに大いに期待しているんです。=おわり(大家俊夫)

