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【エベレストへの道】三浦隊との80日(10)完 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:地球の頂点へ 三浦雄一郎、75歳の挑戦
「えー、豪太が高山病で…シェルパ2人と…降りてます…」
5月25日午前11時半。キャンプ4(C4、8000メートル)から最終キャンプのC5(8400メートル)へ向かっていたアタック隊の五十嵐和哉さん(48)から、突然無線が入った。雑音で途切れがちで詳細は分からないが、三浦雄一郎さんの次男、豪太さん(38)の調子が悪くなったので、下山したらしい。
「五十嵐さん、豪太はどんな具合ですか」
長男の雄大さんがベースキャンプ(BC)から無線で問いかけた。「えー…平衡感覚がなく…意識はあり…」「シェルパは2人?」「そうです…」
他のアタック隊3人は順調にC5へ向かっているという。平衡感覚が失われるのは、重篤な高山病である高地脳浮腫の典型的な症状。一番若く体力もあった豪太さんのまさかの事態に、BCは緊迫した。
◇
1時間後、豪太さんがC4へ着いたとの連絡が入った。
「豪太、シェルパをちゃんとつけて、酸素を目いっぱい吸って降りてください。気にしないでゆっくりと…村口(徳行)さんから、C2までとにかく降りろとのことです。しかし、慌てちゃだめだぞ、豪太」。無線で呼びかける五十嵐さんの声は震えていた。


