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よみがえる昭和30年代の家族 茨城・日立で写真展
昭和30年代の「家族」の姿が半世紀の時を経てよみがえった。茨城県日立市内にあった「小室写真館」で撮影されたもので、写真館から写真のガラス乾板などの寄贈を受けていた日立市郷土博物館が、写真展「ある町の写真館がとった『家族』昭和30年代の絆」として39枚を展示。七五三や入学式、結婚式…。人生の節目を切り取った写真には、失われつつある家族の絆が生き生きと映し出されている。(島田清)
写真館を営んでいた小室幸さんは明治35年に豊浦町川尻(現日立市川尻町)に生まれた。東京の写真館に勤めたあと、写真学校で撮影技術を学び、昭和5年ごろに地元に戻って開業した。写真館は49年に閉館したが、次女の宇須井峰子さんによると、小室さんは72歳の誕生日の前日までシャッターを切り続け、61年に83歳で亡くなったという。
戦前、戦中の写真は戦災で失われてしまったが、30年代のものが多数残されていた。3800枚が同博物館に寄贈され、今回はその中から特に「家族」が集う39枚を選び出した。小室さんが使っていたスタジオカメラも合わせて展示している。
ガラス乾板が寄贈されたのは平成元年だったが、「撮影から半世紀がたつ今が紹介する機会」(同博物館)として写真展の計画を練ってきた。
写真展の開催にあたっては、市民が企画ボランティアとして参加した。今年5月に市民参加事業として初めてボランティアを募ったところ、7人が賛同。博物館の担当者とともにガラス乾板の清掃から始まり、データベース化、資料カードの作成、展示テーマの決定、展示作業に至るまで携わった。
同博物館では当初、来年2月の開催を目指していたが、ボランティアの尽力で10月に繰り上げての展示が可能になったという。
ボランティアの1人、松本保さんは「家族の連帯感は薄れつつあるが、いろいろな家族の愛情が写し出されており、感慨深いものがある」と話している。
11月9日まで。問い合わせは同博物館(電)0294・23・3231。