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【正論】「権力意志」と「権力欲」は違う 初代内閣安全保障室長・佐々淳行 (1/3ページ)

2008.10.1 03:43
このニュースのトピックス子供の安全

「世襲内閣」批判に異議あり

 麻生太郎衆議院議員が自民党総裁選挙に圧勝、国会において首班指名を受け、第92代内閣総理大臣に就任した。

 早速吉田茂元総理の孫らしい強烈な個性を発揮し、総理になったことを「天命」といい、「明るく強い国」を造ると宣言した。「省益でなく国益を」と説き、前例を破り自ら閣僚名簿を記者会見で発表、人選の理由を語った。安倍晋三元総理、福田康夫前総理に次ぎ3人目の、祖父か父を総理に持つ“貴種”だ。

 安倍総理の就任の際のキャッチフレーズは「美しい国 日本」だった。筆者は、これがサン・テグジュペリの「星の王子さま」みたいな感覚の繊細さに不安を覚えた記憶がある。それに比べ麻生総理の「明るく強い国」は、暗く不安な世相の今の日本には、いいスローガンだと思う。

 麻生内閣が発足したとたん、予想されていた批判が始まった。それは「(首相を含む閣僚18人のうち)4人は元総理の子孫、11人は世襲議員」という雲上人内閣、庶民の苦しみがわからない人々の内閣だという批判である。これは彼らの出自に対する逆差別ではないか。

ニーチェ政治哲学に学ぶ

 一方の民主党は、対立候補も出ない無投票で小沢一郎氏が代表に選出された。テレビで「政権交代の秋」「政権奪取の秋」「最後の機会」と叫び続けている。しかし、その政策は確たる財源の裏づけもないポピュリズムのばら撒(ま)き公約だ。国家の基本的任務である「治安・防衛・外交」にはほとんど触れない。国益無視の政見である。

 なかでもひどいのは、「各役所(1府12省)に100人の国会議員を副大臣、政務官として任命する」という行政改革論である。1府省7人くらいになるわけだが、府省内に各局担当の政務官を置くとすれば、憲法の定める立法・司法・行政の三権分立の大原則に抵触しかねない暴論というべきだろう。

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