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【産経抄】9月26日

2008.9.26 03:11
このニュースのトピックス産経抄

 昭和も終わりに近づいたころ、芸能界の話題の中心は、歌手の郷ひろみさんと松田聖子さんの結婚だった。残念ながら婚約寸前で、破局に至る。松田さんは、俳優の神田正輝さんと結婚した。

 ▼一方の郷さんは、2世タレントで、慶応大学在学中だった二谷友里恵さんを伴侶に選ぶ。「聖子なんかとは月とスッポン。素敵なご令嬢、友里恵さん」。こんな記事を目にして、怒りをぶちまけたのが、作家の林真理子さんだった。「週刊文春」の連載エッセーで、こう書いた。

 ▼「聖子ちゃんというのは、おそらく日本歌謡史に残る大スターなのだ…テレビにちょこちょこっと出てた“ご令嬢”の方とは比較にもならない」。林さんが批判したのは、友里恵さんではない。令嬢好きで、自分の力でのし上がる女を嫌う「おとこマスコミ」の風潮だった。

 ▼それは20年以上たった今も、変わりはないようだ。成り上がりの女性議員は、バッシングの対象になることが多いけれど、“ご令嬢”議員は別格だ。きのうのスポーツ紙は、「ゆうこりん」の初入閣を好意的に報じていた。

 ▼野田聖子消費者行政担当相が郵政相となったときの37歳を抜いて、戦後最年少の34歳で少子化担当相に起用された小渕恵三元首相の次女、優子さんのことだ。もっとも新閣僚の主流は“お坊ちゃま”議員が占める。民主党が、その点を問題にしたくても、小沢一郎代表もまた世襲議員とあっては、いかんともしがたい。

 ▼麻生太郎首相は、自身への人気の高さから、むしろ名門好き、ブランド好きな国民性を見極めて、「世襲力」で、総選挙を乗り切る腹を固めたのかもしれない。行き着く先は、格差社会を超えた階級社会だ。国民の多くは、それを望んでいるのだろうか。

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