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【自民総裁選】「選挙の顔」問う総裁選 衆院選の前哨戦に 再編視野に余波広がる

2008.9.11 01:38
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 「総選挙で戦わなければならない相手を想像してほしい。誰が民主党と戦うのか。これが総裁選の最大の争点だ。この12日間でわれわれの底力を全国に訴えていかなければならない」

 10日午前、自民党本部7階で開かれた麻生陣営出陣式。満員電車のような会場に勝利の手応えを感じた麻生氏は「選挙の顔」を選ぶための総裁選であることを強調、誰が民主党の小沢一郎代表の好敵手にふさわしいかを問うた。

 終了後別室で開かれた1回生議員との対話集会は麻生氏との写真撮影会と化した。目的はもちろん選挙ポスター。総裁選は次期衆院選の前哨戦となりつつある。

 午後の共同記者会見でもこの傾向は顕著だった。5候補の経済政策の違いが最大の争点となり積極財政論者の麻生氏が他候補の集中攻撃を浴びるとの見方が強かったが、同氏への批判はほとんどなく、批判の矛先は民主党に向いた。

 麻生氏「小沢氏はえらくバラマキを言っているが財源の裏付けはない。責任政党としていかがなものか」

 石原氏「減税して子供にも農家にもお金を出します。高速道路も無料。そうなったらいいけど私たちは責任政党ですから…」

 与謝野氏「昔の小沢さんと今の小沢さんを比べると財源論にやや欠陥があるのではないか」

 安全保障問題でもやはり批判は民主党に集中した。

 石破氏「インド洋での補給活動は憲法違反だからやめる。国連決議があればどこにでも自衛隊を出す。こんないい加減なことは私は言わない」

 小池氏「新テロ対策特別措置法の民主党の対案は停戦合意を(自衛隊派遣の)条件としている。テロリストとどうやって停戦合意するのか不思議でたまらない」

 総裁選で国民の注目を引きつけ、その勢いで衆院解散。「自公連立政権が生き残る唯一の手段」(党幹部)として浮かんだシナリオは現実味を増している。衆院選投開票日も「10月26日」「11月9日」など具体的な期日が浮かぶ。党重鎮は「こうなれば誰が首相になっても解散風は止まらない」と断言する。

 解散すれば、自公は衆院の3分の2以上の議席を失い、衆参のねじれがより深刻化する公算は大きい。それでも与党が解散に急ぐのは「次の衆院選で自民、民主の負けた方が解党する」との見方が強いからだ。

 逆に衆院選を制することができれば、その後の政界再編の主導権を握ることができる。5候補の発言にもその青写真がにじむ。

 ただ、再編シナリオには5候補で微妙な温度差があるようだ。民主党との大連立について麻生氏は「小選挙区制で大連立は極めて難しい」、石破氏は「国民の誰が大連立を頼んだのか。小選挙区制を作ろうと言った人が大連立を持ちかけたこと自体理解に苦しむ」と言下に否定。与謝野氏は「衆院選後もねじれは残る。国会が物事を決めないことは許されないのでいろいろな話し合いや工夫は必要だ」と含みを残した。

 次期衆院選、その後の政界再編まで見据えた総裁選は例がない。他の与野党に余波を広げるだけでなく、税財政などをめぐり自民党内で深刻化する路線対立を深刻化させ、分裂の萌(ほう)芽(が)となる可能性もある。

 それでも沈滞ムードに覆われていた自民党に活気がよみがえったことは間違いない。衆参ねじれに翻弄(ほんろう)され、退陣を決断した福田首相には「してやったり」との思いもあるのだろう。10日夜、記者団の取材に応じた首相は晴れやかな表情でこう答えた。

 「いずれも個性的な方ですからね。内政、外交、経済など大いに活発な論議をしてほしいと思います」(石橋文登)

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