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【正論】福田首相退陣 1年間の閉塞状態から脱せよ 元駐タイ大使・岡崎久彦 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:オバマ次期米大統領
まずは、福田康夫氏の爽やかな出処進退に敬意を表したい。
福田内閣の発足当初から、所見を聞かれると、私は常に、福田氏の最大の長所は、氏の性格に謙虚さのあることにあると言ってきた。
氏は、若いころから、岸信介政権の志を継ぐ人物として保守派の輿望を担っていた父君故福田赳夫氏に比較されて、自らを客観的に見ることを知っている人である。
かつての官房長官辞任の時もそうだった。権力や地位に恋々としないで、自らの引き時を知っている人である。
その福田総理自身の言葉からも、こうなった原因は国会のねじれ現象にあることが分かる。前にも指摘したが、これは戦後の占領時代の憲法策定の際の、誰も特に意図しなかった不手際の所産である。
政府側の議会解散権と議会側の不信任決議案提出権との間のバランスで政治を運営するのが、英国に発した議会政治の常道であるのに、下院とほとんど同じような権力を持ちながら政府が解散権を持たない上院を作ってしまった間違いが、占領終了後半世紀以上を経て、自民党の参院支配が終わって、問題として浮上してきたのである。
現状においてこの問題を解決する方法は一つしかない。それは国益に関する問題については超党派的合意を達成する仕組みあるいは精神的態度を作ることである。
アフガニスタンを支援するための海上自衛隊のインド洋派遣(補給活動)は、当面、日本の国益に関する最大の問題である。
党利党略で国益が沈む
イラクへの多国籍軍派遣の国連決議も今年末で切れる。現在のアフガン支援は、米国の対テロ戦略に対する唯一の協力である。日本がこれに対する協力を打ち切った場合、米国大統領選の共和党候補マケイン氏の直截的な反応は想像に余りある。

