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【正論】「世界一」が泣く海自の失態 中国軍事専門家・平松茂雄 (1/3ページ)

2008.9.25 03:11
このニュースのトピックス正論

中国潜水艦の前例想起

 国籍不明の潜水艦が豊後水道南端のわが国領海内で発見され、護衛艦5隻、対潜哨戒機2機を投入して追跡したが、1時間半後に見失うという出来事が報じられた。海上自衛隊はその後、潜水艦かどうか確認できないと発表したが、いずれにせよ海自の対潜水艦探知能力は世界一と聞いていただけに、筆者には衝撃的だった。

 数年前、中国の旧式原子力潜水艦が海上自衛隊の対潜哨戒機の執拗(しつよう)な追跡を受けながら、潜行したままわが国の先島諸島の領海を侵犯し、東シナ海を航行して中国に帰った。この時、10人ばかりの現役・退官の幹部海上自衛官に意見を聞いたところ、正反対の見方があった。

 「あんなに音の大きな時代遅れの潜水艦は怖くない。一撃で撃沈させる」と自信満々の幹部がいた。一方、「今回は旧式だったが、将来の有事にははるかに音の静かな潜水艦が来るだろう。あれだけ長い時間、広い海域を追いかけられながら潜行して逃げ帰ったことは、中国がこの海域を知り尽くしている証拠だ。過小評価してはならない」という厳しい見方があった。

 今回発見したのが中国の潜水艦であるとすれば、後者の見方は間違っていなかったことになる。

緊張感を欠く発見報告

 そのときの聞き取りで注目すべき見方をした現役の自衛官がいた。一言、「キカイがないからですよ」というのである。筆者は「キカイ」という言葉の意味が分からなかった。彼は米ソ冷戦時代に対潜哨戒機に乗って、米海軍とともにソ連潜水艦を長年追跡した経験がある。だがソ連が崩壊して潜水艦を追いかける「機会」がなくなってしまったというのだ。そこで、それなら仮想敵を設定して訓練するのではないか、そのための対抗演習ではないのかと質問したところ、「なれ合いなんですよ」という答えだった。

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