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【正論】防衛戦略を領域重視に転換を 中国軍事専門家・平松茂雄 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:「竹島」問題
沖縄戦の教訓と防衛改革
防衛省が来年度に見直す「防衛計画の大綱」で、陸上自衛隊が全国を5分割してそれぞれの地域を防衛する「方面総監部」制度を廃止し、指揮・命令系統を一元化する「陸上総隊」の創設を検討するとの報道があった。主に着上陸侵攻を想定した冷戦時代の体制を、テロやゲリラ攻撃などに備えて一体化し、機動力を高めるのが狙いという。 着上陸侵攻とは敵が上陸してくることだから、上陸される前に日本の海が侵略され、その上空は敵に侵犯されて、わが国は本州、北海道、四国、九州だけになっているばかりか、敵の空爆や艦砲攻撃を受けて破壊されている。簡単に言えば「本土決戦」だ。そのような事態はありうるのか。太平洋戦争を考えてみればいいだろう。
戦争末期、軍部は天皇陛下の御在所を長野県松代の山中に移し、本土を焦土と化しても決戦し「玉砕」すると声高に叫んだ。当時筆者は国民学校4年で「軍国少年」だったから、いまでもはっきり覚えている。だが太平洋戦争は沖縄戦で終わり、「本土決戦」はなかった。英断である。沖縄の尊い犠牲で戦争は終わったのだ。
沖縄戦のわが国にとっての意味はそこにあるのだが、沖縄戦で「集団自決」の命令があったのか、なかったのかが争われ、裁判にまでなっている。わが国にとって今一番大事なことは、沖縄戦を二度と繰り返してはならないということだ。陸上自衛隊が戦車や装甲車で国土を防衛するような事態があってはならない防衛体制を整えることだ。
守るべき領域を明確に
幸いなことに、わが国は広大な海に囲まれている。陸地の国土面積は小さいが、海域面積は陸地国土面積の約12倍、世界で第6位の広さである。わが国がそのように広大な海域を保有しているのは、その海域に多数の島嶼(とうしょ)が散在するからである。

