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【主張】日朝協議 再調査の履行を強く迫れ
約2カ月ぶりの日朝実務者協議が11日から、中国の瀋陽で開かれる。北朝鮮が約束した拉致問題再調査の具体化が焦点となるが、北の調査には何度も失望させられてきた。日本は北の明確な行動と結果を求める協議を貫くことが何よりも大切だ。
前回の6月協議では、北朝鮮が拉致の再調査と「よど号」犯引き渡しに協力を約束、日本政府は再調査の具体化に応じて経済制裁を緩和する考えを示した。ところがその後、北の反応はなく、誠意を疑う状況が続いてきた。
11日は米国のテロ支援国家指定解除が可能となる期限でもある。北が協議再開に応じたのは指定解除に有利な展開を見せるためとの観測もあり、日本政府は北の思惑に振り回されないよう、原則をきちんと貫いてほしい。
第1に、日本にとって拉致再調査の目的は、あくまで生存者を見つけて帰国させることにある。再調査の具体的方法を詰める際も、この点を忘れては調査自体の意味がない。あいまいな調査で幕引きとされぬように途中経過も含め、厳正な検証・確認の手順を盛り込む必要があろう。
第2に、日本側には拉致の再調査着手と容疑者引き渡しを条件として、北への制裁緩和に踏み切る考えもあるとされる。だが、それは時期尚早にすぎよう。
「よど号」犯を含む日本人容疑者らの引き渡しは国際社会のルールとして当然であり、見返りを与えるようなことではない。制裁の緩和は、再調査の具体的結果が出てからにすべきだ。国民もそう感じているのではないか。
また、「よど号」とは別に、拉致事件に直接関与した北の工作員ら8人が手配されている。事件の全容解明のためにも、日本政府としてこれらの引き渡しも引き続き要求していく必要がある。
福田康夫首相は、内閣改造で中山恭子前首相補佐官を拉致問題担当相に起用し、拉致問題の前進を図る姿勢を改めて国民に示したばかりだ。高村正彦外相も今回の協議に「結果が出ることが大切」との立場を強調している。
日朝協議を突破口に、政府一体で北朝鮮に約束の誠実な履行を迫ることが重要だ。制裁緩和や国交正常化に前のめりになってはならない。米国はここにきてテロ支援国家指定解除の延期も示唆しているが、さらなる緊密な協議と連携を維持してもらいたい。