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【主張】ギョーザ事件 中国政府の目線では困る

2008.8.8 03:12
このニュースのトピックス主張

 中国製ギョーザ中毒事件に関連して、中国国内でも同様の中毒事件が起きていたことが、外交ルートを通じて7月に日本政府に伝えられていた。毒物が中国国内で混入された可能性が高いことを、ようやく中国側が認めた形だ。

 中国側は事件の原因は日本にあると言わんばかりの態度も見せてきた。その非を改め、今後は本腰を入れて捜査を行うことは当たり前である。

 納得できないのは、政府が事実を1カ月も伏せていたことだ。国民の生命にもかかわる食の安全の問題より、北京五輪を控えた中国への外交的配慮が先なのかと指弾されても仕方あるまい。

 福田康夫首相は6日の記者会見で「捜査上の問題もあるので説明するわけにはいかない」と述べ、両国間で協議が進行中であることに理解を求めた。事件後に回収されたギョーザが再び中国国内に出回ったという、常識では考えにくい点もあるが、なぜ伏せたのかなどの経緯は明らかにすべきだ。

 中国からの伝達は、7月の主要国首脳会議の直前だったという。洞爺湖サミット時、福田首相は胡錦濤主席との首脳会談で、ギョーザ事件も話し合った。しかし、公表された会談内容は両国間の捜査協力を確認し、胡主席が捜査の加速を約束した程度で、中国での事件発生という重大な事態の変化を前提としたものではなかった。

 これらは日本政府が五輪開催前に波風を立てたくないとの思惑から、国民の中国食品に対する懸念を払拭(ふっしょく)するのは後回しで良いと考えていたからではないのか。

 原因が中国国内にあることが少しでも早く特定されれば、再発防止に役立ち、消費者の安心感につながる。日本人の中国食品離れは、一連の事件の責任をあいまいにしていることなどへの不信感があることを忘れてはならない。

 この件で民主党の小沢一郎代表が「日本の国、国民の視点から政治行政が行われていない」と主張したのは、もっともである。

 野田聖子消費者行政推進担当相は「外務省と警察庁はちゃんと連携してほしい」と語った。首相が強調している消費者の目線とはどんなものか分かるよう、積極的な取り組みをみせてほしい。

 訪中する福田首相は、胡主席らとの会談で、日本国民の安心・安全をいかに守るかを具体的な形で示す責務がある。

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