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【主張】福田改造内閣 税財政改革に司令塔役を
福田康夫改造内閣にとって、税財政改革は最重要課題のひとつである。その改革の司令塔である経済財政諮問会議を仕切る経済財政担当相に与謝野馨前官房長官が就任したことに注目したい。
与謝野氏は財政再建を重視する政策通として知られ、自民党税制調査会小委員長や財政改革研究会会長の任にあった。首相が財政再建に意欲を示した人事とみていいのではないか。
与謝野氏はまた、小泉純一郎元政権末期の経済財政担当相でもあった。政策決定過程の中で地盤沈下が指摘されていた経済財政諮問会議の改革の司令塔機能を回復させるよう求めておきたい。
福田政権は税財政改革の方向性が定まらなかった。ねじれ国会下の総選挙を控えているうえ、改革への不満による歳出圧力が近年になく高まっているからだ。
揮発油税など道路特定財源の一般財源化という改革は民主党に追い込まれての決断だった。一時は今秋の税制抜本改革での決断に意欲を示した来年度からの消費税引き上げも事実上、先送りした。
伊吹文明財務相を含めて改造内閣の責務は何といっても税財政改革に正面から取り組むことだろう。それは「骨太の方針2006」が示した歳出・歳入一体改革の徹底に尽きる。
そのためには年末の予算編成に向け歳出圧力を押さえ込むことはもちろん、いかに税制抜本改革を実りあるものにするかだ。
先の内閣府試算によると、2011年度の基礎的財政収支黒字化という政府目標を達成するには歳出を最大限削減しても3・9兆円足りない。2010年代半ばからは債務残高の国内総生産(GDP)比引き下げも待つ。
秋には本格的な高齢化社会を踏まえて年金より増大が懸念される医療、介護に必要な財源規模が示されよう。こうした課題に増税なしで対応するのは不可能だ。
その財源にふさわしい消費税をいつ、どう引き上げていくのかの工程表くらいは策定しないと、国民の不安は解消しない。また、抜本改革の軸である消費税が明確にならないと、法人税や所得税のあり方も決まらない。それは今後の成長力強化にも影響する。
税財政改革は難事業である。首相は与謝野氏起用により改革の司令塔機能を回復させて政府・与党内の混乱を解消し、日本の将来像を描く先頭に立ってほしい。