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【正論】国益を毀損するODA削減 拓殖大学学長・渡辺利夫 (2/3ページ)

2008.5.12 02:40
このニュースのトピックス正論

PKO貢献でも韓国の下

 やや統計が古くならざるをえないが、1998年から2005年までの間に日本の無償援助が50%以上削減された国の数は142カ国中59カ国に及ぶ。さらにかつては第1、2位を占めていたUNDP(国連開発計画)、UNFPA(国連人口基金)、UNICEF(国連児童基金)など国際機関への分担金・拠出金も現在では第5、6位へと軒並み順位を下げている。

 国際秩序形成に軍事力をもって臨むことを厳しく制約されている日本にとってODAはその外交力を支える重要な手段であり、国益を守るための国際行為である。ODAが今日、国際社会において熾烈(しれつ)な国益拡大競争の場となっていることを忘れるわけにはいかない。

 中近東に発しインド洋、マラッカ海峡を経て日本にいたる長大なシーレーンを守る軍事力はわが国にはない。国際的テロリズムに独自で立ち向かうこともできない。この日本がみずからを生存させるすべは外交力以外にはない。

 ODAとは別の国際協力においても日本のプレゼンスは小さい。自衛隊の国際平和協力活動は、昨年1月の防衛省昇格と同時に「本隊任務」とされたものの、国連PKO(平和維持活動)に対する日本の貢献はG8の中で最低であるばかりか、中国や韓国の後塵(こうじん)をも拝している。

 海上自衛隊のインド洋での給油・給水活動がテロ対策特別措置法の期限切れにより中断を余儀なくされた。新テロ特別法によってこれが再開されたことは幸いであったが、この新法も来年1月には再び期限切れを迎える。しかし特別法恒久化への議論はまだ始まってはいない。再々度の中断があれば日本は「自分勝手な国」だとの烙印(らくいん)を押されかねない。

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