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【主張】日銀総裁人事 党首が打開図るしかない
米国の金融不安を背景に金融市場でドル安・円高と株安が進行しているのにもかかわらず、19日の任期切れを控えた日銀総裁人事をめぐる混迷が収束しない。
政府は不同意となった武藤敏郎副総裁の昇格案の代案として、福井俊彦現総裁を続投させることを民主党に打診した。しかし、民主党から難色を示され、衆参両院に正式に提示するには至らなかった。
相手の腹の探り合いをする時期はもう過ぎている。福田康夫首相や民主党の小沢一郎代表は、混乱の責任を押し付け合うことなく、事態打開に向け協議すべきだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、公定歩合を0・25%引き下げ、年3・25%にすることを緊急に全会一致で決定した。金融危機を回避するためとみられる。
同時に、サブプライムローン問題をきっかけに経営が悪化している証券大手ベアー・スターンズに最大300億ドル(約3兆円)の間接的緊急融資を行うことも決定した。
FRBが日曜日に異例の決定をしたのはいかに不安の拡大を恐れているかだ。しかし、月曜日の東京市場は、米金融当局の思惑に反して、一段と円高と株安が進む結果となった。
米国発の金融不安がドル安・円高を引き起こし、輸出関連の日本企業の業績悪化懸念から、さらに株が売られる展開だ。福井氏続投の打診が拒否されたとのニュースが市場に伝わると、相場の混乱に拍車がかかった。
福井氏続投の打診は、武藤氏の昇格を断念しても、福井氏の続投で金融政策の継続性と安定性を維持できるという考え方だろう。福井氏には村上ファンドへの出資問題という経緯もあるが、「総裁空白」より混乱は少ないと判断したとみられる。
武藤副総裁もセットで続投させる案を示したのは、昇格のチャンスを残しておこうという狙いだろう。
福田首相は「民主党の考え方がよくわからない」と今もこぼしているという。しかし、待ちの姿勢が問題を複雑にしているのではないか。
民主党には総裁人事を政争の具にしない大局に立った判断を改めて求めたい。それこそが責任ある参院第一党としての信頼を高めることになる。