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【主張】情報機能強化 秘密保全法制を考えよう
政府の情報機能強化検討会議(議長・町村信孝官房長官)が最終報告書をまとめた。報告書は、国際テロや北朝鮮問題に関する情報収集は「喫緊の課題」としながらも「情報不足」と問題があることを認めている。
それにもかかわらず、対処策が専門家の育成や対外人的情報収集のあり方の研究を深める−では物足りない。
海上自衛隊のイージス艦情報流出事件などを受けた秘密保全についても「諸外国の現状を踏まえ、真にふさわしい法制のあり方の研究を継続する」にとどまった。この問題は国の安全保障政策の基本であるが、法制不備のまま据え置かれている。
その結果、日本は「スパイ天国」と揶揄(やゆ)され、外国による諜報(ちょうほう)事件が後を絶たない。1月にも内閣情報調査室の男性職員が在日ロシア大使館員から情報提供の見返りに現金を受け取っていたとして懲戒免職処分を受けた。
懲戒処分は国家公務員倫理法違反というが、国家公務員の守秘義務違反は問われなかった。ただし問われても懲役1年以下の罰則でしかない。米国は連邦法で国防に関する情報の収集や外国政府に通報した者は最高で死刑という罰則を設けている。
町村官房長官は二橋正弘官房副長官に秘密保全法制の検討チームの設置を指示した。政府は、法律がないことに伴う弊害を国民に説明すべきだ。議論を尽くさなくてはならない課題だ。
報告書はこのほか、内閣情報分析官の新設や内閣・合同情報会議の活性化なども打ち出した。
日本の情報組織が縦割りで、情報を出し渋っている現状を是正しようというものだ。新しい仕組みでは、外交や安全保障の専門家である内閣情報分析官が情報評価書の原案を作成し、局長級の合同情報会議に報告するとしている。合同情報会議で首相などに伝える情報の基準を明確にして、各省庁が積極的に情報を提供するよう促す。
こうした情報を共有し、情報保全が徹底されなければ、日本は過酷な国際環境で生き抜くことはできない。
福田康夫首相が昨年12月、安倍前政権が打ち出した国家安全保障会議(日本版NSC)創設を断念したのは残念だが、日本の情報機能の抜本的改革を実現してほしい。