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【主張】18歳成人 もっと論点を洗い出そう
法相の諮問機関である法制審議会に民法で定める成人年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる是非が諮問された。憲法改正手続きのための国民投票法が投票権は18歳以上と定めたことに伴う諮問である。
成人年齢の引き下げは社会通念を大きく変える。関係する法律、政令なども308本になる。それだけにこの問題には国民的な議論が欠かせない。
民法関係などは法制審で論議するが、それ以外は関係法を所管する各省庁がそれぞれ検討する方針という。これでは省庁ごとにばらばらの結論が出かねない。こうした方式で果たしてよいのかどうか。
成人年齢に関する省庁の横断組織を首相官邸につくり、引き下げでどんな得るものと失うものがあるのかを洗い出し、論議を深めることが肝要だ。
昨年5月に成立した国民投票法の18歳以上の規定は民主党が主張していたもので、20歳以上としていた自民党が成立のために歩み寄った経緯がある。政治的な妥協の産物であることは否めず、十分に議論を尽くしたとはとても言えない。
ただ、国民投票法も実際に「18歳成人」に改正されるまでは、投票年齢を20歳以上に据え置くとの経過措置を明記している。成人年齢の問題は国民投票法と切り離すことも可能である。
国民投票法の施行は平成22年5月だ。それまでに公職選挙法、民法などの規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると付則で規定している。時間はそう残されていない。
大きな論点は成年とはいつからかだ。現行民法は「20歳をもって成年とする」としている。明治29年に制定されてから、112年もそのままだ。
海外では韓国、タイなどは成人年齢を20歳にしているが、英、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢にしている。選挙権でも国会図書館によると、189カ国・地域のうち、166カ国・地域が18歳から認めている。
一方で20歳未満に喫煙・飲酒を禁じている未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法の取り扱いもある。少年法も少年を20歳未満としている。これらを民法の成人年齢と直接連動させるべきなのかどうか。権利には義務も伴う。成人論議をもっと広げたい。