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【主張】住基ネット判決 普及にもっと本腰入れよ
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)は違憲だとして住民が国などを訴えていた裁判で、最高裁は訴えには理由がないとし、合憲の最終司法判断を下した。行政効率化が求められている中、時代の要請にかなったものであり、合理的かつ常識的な判決として評価したい。
住基ネットの導入については、これを渋る自治体が少数ながら残っており、全国でなお十数件の違憲訴訟が続いている。これら関係者に対しても、今回の上告審判決を重く受け止め、再考の材料とするよう促したい。
住基ネットは、全国の住民基本台帳をネットワークでつなぎ、全国どこの役所でも住民票交付などが受けられるようにするシステムだ。利用に当たっては、11けたの住民コード番号と氏名、生年月日、性別、住所の4情報を入力した住基カードが本人確認情報として使われている。
住基カードの普及により、家庭のパソコンからパスポートなど公的証書の申請ができるほか、納税や年金受給などの手続きも可能となる。もちろん身分証明書としても使える。
政府は、将来的に電子政府、電子自治体が実現した際の中核に据える方針で、「小さな政府」を目指す上で住基ネットが果たす役割は大きい。
これに対し、住基ネットを違憲とするグループは、「個人情報漏洩(ろうえい)のおそれがある」などと主張してきた。
個人のプライバシー保護が重要なのはその通りだ。しかし、それは法の厳しい規制の中で適正に管理すべきものであり、公共の利便性、利益を阻害するものであっては本末転倒である。
この点、判決も個人識別のための4情報については、「個人の内面にかかわるような秘匿性の高い情報とはいえない」とし、権利侵害の主張には理由がないと明確な判断を示した。
政府は住基カード普及に改めて本腰を入れるべきだ。制度開始から4年半がたつのに、普及率1・5%というのでは怠慢のそしりを免れまい。
厚生労働省が平成23年度にも導入予定の「社会保障カード」との統合作業も進めてほしい。複数のコード番号の併存は混乱するだけである。こうした作業の遅れは、住基カードの普及そのものに大きく影響する。国として責任ある対応を求めたい。