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【ゆうゆうLife】介護 グループホームはだれのため?(中) (1/3ページ)
■整備率に地域格差も
介護保険の適用で急増した認知症高齢者グループホーム。小人数の家庭的な環境が特徴です。利用者・家族のニーズは高いのですが、「入るのが難しい」との声が聞かれます。背景には、近くになかったり、都市部を中心に費用が高いなどの問題があります。本当に認知症で困っている人が入れるような整備が求められています。(寺田理恵)
栃木県野木町で「グループホーム森の舎(いえ)」などを運営する友志会は、住民との交流を深めるため、毎年、夏祭りを開く。何十発もの花火を打ち上げるイベントに、隣接する茨城県古河市からも見物人が訪れる。
古河市の斉藤陽子さん(57)=仮名=は「車で10分の所に住んでいますが、野木町と古河市の境界線は高いですよ」と話す。亡くなった義父は「森の舎」で暮らしていた。義母(89)も入れたいと望んだが、それが容易でなかったという。
義母は生け花の師範。高齢になっても水泳や謡曲を楽しんだ。夫の死から約1年後、認知症と分かったが、義母は認知症を受け入れられなかった。集団で過ごすのも苦手で、デイサービスを嫌がった。
陽子さんは施設をあちこち探し、「信頼関係のある森の舎に入れたい」と考えた。「デイに行くのを激しく嫌がって暴れた義父が、森の舎では人間が変わったと感じるほど落ち着いた」からだ。
ところが、森の舎には原則、野木町民しか入れなくなっていた。18年の法改正でグループホームが、市町村指定の「地域密着型」に移行したからだ。町内に家を借りることも検討したが、結局、野木町の知人宅に住所を置かせてもらえることに。やっと入居した義母が、昔、世話になったスタッフに「ご無沙汰(ぶさた)です」とあいさつする姿を見て、陽子さんは安堵(あんど)した。
野木町の山本裕子さん(51)=仮名=も、義母(91)の住民票を移して、「森の舎」入居がかなった。「私や姉だと、力任せに母を立たせる所を、ここでは、母が『よいしょ』と立とうとするときに支えてくれる。義母の時間の流れに合わせていただける」と満足そう。
裕子さん一家は野木町民だが、義母は埼玉県に住む次女と同居していた。次女の病気を機に、森の舎に隣接する介護老人保健施設に入所。住民票は埼玉県のまま、入退所を繰り返した。
「家に戻ると座ったままで足腰が弱り、夜中に何度も目を覚ましてトイレに行く」といった状態が続き、森の舎入居を決めた。入居には町民として介護保険料の納付実績が求められるため、住民票を移して2カ月待った。
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