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【主張】年金記録照合 今後もあらゆる手尽くせ
社会保険庁が、宙に浮いた約5000万件の年金記録の照合結果を発表した。
基礎年金番号に統合済みの記録とコンピューター上で突き合わせをした結果、名寄せできたのは6割の3070万件にすぎず、持ち主の特定が難しい記録が昨年12月の社保庁推計より50万件多い2025万件も残った。
社保庁のずさんな仕事ぶりに、改めて憤りを禁じ得ない。
町村信孝官房長官や舛添要一厚生労働相は、「3月末までにコンピューター上で突き合わせをする」としてきた政府公約は達成できたとして胸を張ったが、全体の4割が名寄せの見通しが立たないままだとあっては、多くの国民は納得できまい。
2025万件の約半分は、社保庁が紙台帳からコンピューターへの移行時に入力ミスなどを犯したことが原因とされ、今後の照合作業は極めて難しいとみられる。政府・与党が昨年7月に対応策を発表した際に「3月までに名寄せを終える」と説明したため、今月中にはすべての記録が特定されると期待した国民も少なくない。政府はむしろ、公約を守れなかったことを謝罪すべきであろう。
社保庁は、紙台帳との照合を行っても特定できない場合は、宙に浮いた記録はインターネット上で公示することを検討する考えも示した。
就職時に年齢制限をクリアするために虚偽の生年月日を申請したり、企業が節税対策のため実在しない人物を届けたりしたケースもあるとみられ、最終的に特定できない記録は相当数残ることは予想される。これ以上は追跡が困難という段階で、こうした手段に出るならともかく、現段階で“幕引き”ともとられかねない「ネット公示」には首をかしげざるを得ない。
社保庁は2025万件の解明に向けて、住民基本台帳ネットワークの活用や、旧姓の情報を加入者らから提供してもらって再照合するなどの新たな対策も打ち出した。こうした対策も含め、政府にはあらゆる手だてを尽くして、一件でも多くの記録を特定するよう重ねて求めたい。
4月以降、全受給者と加入者に「ねんきん特別便」が送られる。国民も自分の年金は自分で守る意識を持ち、積極的に協力することが大切だ。