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【日本を発信するクリエーターたち】ファッションデザイナー 廣川玉枝さん
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ソマルタは、サンスクリット語に由来する造語で、ソーマ(月神)とアムリタ(神話上の神のしずく)の合わせた言葉。最近、絹糸の製造工場で蚕を見てきた。「私ってシルクの本質がわかっていないじゃん」と反省したという=東京都渋谷区猿楽町の事務所前(小川真由美撮影)■苦手のニットで咲いた才能
女性に生まれた喜びを堪能できる服。廣川玉枝さんがデザインする「SOMARTA(ソマルタ)」の服は、ラメが織り込まれたニットがまるで皮膚のように体を覆い、光と影の作用で着る人の体を形作る。カジュアルな印象のニットを、エレガントな服に落とし込んだ作品で、海外からの注目度が高い日本人デザイナーの一人だ。
実は、不得意を克服することで経歴を積み上げてきた。高校時代は裁縫が苦手だったが、物作りが好きで文化服装学院に進学。同級生の縫製技術の高さに驚き、一念発起して基礎を徹底的に勉強した。
SOMARTAの代名詞ともいえるニットとの出合いも、苦手な仕事がきっかけだった。かつて勤務したイッセイミヤケで、人手不足から、「(他の素材に比べ)得意じゃない」と感じていたニットを手がける部署に異動。「一から覚えようと必死に作品を作っていたら、服作りのとりこになってしまった」と笑う。
作品は、無縫製編み機で製作するため、ミシン目がなく、縫製時に生じる縫いしろのつっぱり感がない。素肌に生地が寄り添うような着心地なのに、体形に関係なく、着る人を女性らしく見せる服を実現している。ニットの魅力については、パーツごとに生地を組み合わせる手法と違い、一目一目編むことで素材自体を自分が作り上げていく点だという。
「ニットで服を編む作業は布を縫い合わせる洋服よりも、反物から立体的なデザインを起こす着物に近い感覚。日本人ならではの感性が生きていると感じる」
21世紀はファッションデザイナーが服だけをデザインする時代ではないとも感じている。「ロボットの服を作ってみたいな」。夢は広がる。(小川真由美)
