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【断 青沼陽一郎】五輪招致、日米彼我の差
このニュースのトピックス:2016年東京五輪招致
北京五輪が開幕したとき、私はシカゴにいた。2016年の五輪招致を東京と競う米国の都市だ。
米国では三大ネットワークのNBCが北京五輪の独占放映権を持っていた関係で、他局では一切五輪を報じない。むしろ、盛り上げてなるものかと、ニュースですらほとんど触れない。米国のバーにはテレビが複数台設置されているのが通常だが、五輪を中継しているのは半分以下。ほとんどが、メジャーリーグの中継ばかり。それどころか、9月の開幕を前にアメリカンフットボール(NFL)の関連ニュースを1日中放送している。むしろ、開会式に出席したブッシュ大統領がNBCの北京特設スタジオに登場し、天安門広場の毛沢東の肖像画を背景に笑顔で五輪解説を楽しんでいるのを見て、一部の米国人はあきれていた。ロシアとグルジアが軍事衝突したというのに、何を暢気(のんき)なことをやっているのだ、というわけだ。
ところかわって日本。テレビ各局は横並びで朝から晩まで、四六時中の五輪中継。番組構成はどこも同じで、メダリストのスタジオ出演は各局順番待ち。閉幕してみれば、メダルの少なさを嘆き、選手団長は「同じ釜の飯を食え」と結束力強化を強調。五輪不勉強の自称“ジャーナリスト”も、アマチュアリズムやら、国家の選手強化費増強をコメントする。大政翼賛的五輪狂騒曲に薄気味悪さすら感じていたら、祭典の1週間前に内閣を改造して開会式に臨んだ首相が、閉幕1週間後に辞任表明のありさま。
五輪招致合戦の相手国が笑っている。(ジャーナリスト)