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【聖地巡礼】尾瀬(下) 自然の貴重さ知る“教材” (1/2ページ)
このニュースのトピックス:文学・書籍
空が青い。尾瀬国立公園の一角、尾瀬ケ原の南西側にそびえる至仏(しぶつ)山への登山道を群馬県・鳩待(はとまち)峠から山頂へ向けて歩く。2000メートルを超える山を登るのは初めてなのだが、登山初心者に山の神様がプレゼントしてくれたのか、空気は澄み、見晴らしがよい。高度が上がるにつれて燧(ひうち)ケ岳(たけ)、日光白根山、武尊(ほたか)山、谷川岳、浅間山、会津駒ケ岳と北関東から南東北にそびえる山々が姿を現す。登山道はまるで山岳展望台だ。周囲の植物もブナの林、オオシラビソの林、湿原と移り変わり、飽きさせないのだが…。
海抜2000メートル付近の湿原、オヤマ沢田代を通る登山道で、同行した日本自然保護協会の辻村千尋さんが足を止めた。「ここはかつて、登山者による踏み荒らしがひどく、土がむき出しになっていた場所です。奥の方から植物を移植して復元、木道をつくって保護しています」
◆◇◆
至仏山は蛇紋(じゃもん)岩という岩石で山の大部分が形成されており、特有のオゼソウやミネウスユキソウなど、ほかではあまり見られない植物がお花畑のように広がる。これを目当てに登る登山者が絶えない。ところがこのお花畑は、植物の遺骸(いがい)が堆積(たいせき)した、数センチから10センチほどの薄い泥炭層の上に広がっている。辻村さんは「花を近くで見ようとして植物が踏みつけられると泥炭層がはがれて、お花畑の中に道ができる。雨や雪解けでそこを水が流れると、周りの植物の根を浸食して裸地(らち)が広がる。すると登山客は歩きにくい裸地を避けるので別の道ができる。また、すべりやすい蛇紋岩が露出している登山道を避けてお花畑を歩く。そうやって裸地が広がっていった」と話す。
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