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【探訪2008】岩手県葛巻町 天と地の恵み「エコの町」
このニュースのトピックス:温暖化
久慈市との境にある平庭高原の中を縫うように走るフォレストボードは、車いすのままでも森林浴を楽しんでもらうのが目的で設置された。趣旨に賛同した人々が長さ2メートル、幅20センチの敷板を1枚1500円で購入し打ち付ける。水彩絵の具でメッセージがこめられたカラフルな道は800メートルまで延びた15基の風力発電、大小さまざまなソーラーパネル、牛の糞尿(ふんにょう)から発生するメタンガスを利用して発電する畜糞バイオマスシステム…。岩手県葛巻町(くずまきまち)は天と地の恵みを有効活用し、町内消費電力の1・6倍を供給する「クリーンエネルギーの町」。地球温暖化防止に向けて立ち上がった町ぐるみの挑戦をカメラで追った。
人口8000人弱、町全体の86%を森林が占める酪農と林業を基幹産業とするこの町は、平成11年に「葛巻町新エネルギービジョン」を策定し、地球に優しい新エネルギーの開発に着手した。
風や太陽光などを積極的に活用する一方、間伐材や不用な樹皮からできた固形燃料・木質ペレットや薪ストーブを導入した家庭に補助金を交付。小学校には校舎内の電力消費量を表示する「省エネナビ」を設置して児童にも温暖化防止への貢献がひと目で分かる仕組みを取り入れた。
廃校を利用したエコスクール「森と風のがっこう」では、人間の糞尿を畑の肥料や調理用ガスに循環させるトイレや空き缶風呂などを設置。夏には体験キャンプなどを開いて、子供たちに自然と共生する場を提供している。
代表の吉成信夫さん(51)は「お金をかけなくても環境に優しい生活ができることを知ってもらいたい。トップダウンではなく、町民が自ら日常生活の中で省エネを実践した時、本物のクリーンエネルギーの町になると思います」と、未来を見据えていた。(写真報道局 緑川真実)




