ニュース: 生活 RSS feed
【主張】食の安全対策 急がれる行政対応の整備
内閣府の国民生活審議会(首相の諮問機関)が「食の安心・安全に向けた体制整備」についての報告書案を提示した。その中で食品表示に関する関係法令を一本にまとめあげて国民に分かりやすくし、省庁ごとの縦割り行政の是正を挙げている。
当然の提案だ。消費者行政の一元化については消費者行政推進会議(有識者会議)でも検討している。
食品表示は、食品の種類によって食品衛生法、日本農林規格(JAS)法、不正競争防止法と複数の法律に分かれ、これらの法律を担当する官庁も厚生労働省、農林水産省、経済産業省と異なっている。その結果、省庁間で見解が食い違ったり、規制の重複が生じたりしてきた。
報告書案は「関係法令を整理し、食品表示に関する一般法(食品表示法)を新たに制定する必要がある」と提言している。消費者から保健所に寄せられる情報を一元的に集約し、関係機関で共有するデータバンクを設け、情報を分析する専門官を配置することも求めている。
昨年は食の不正や食品偽装が後を絶たなかった。1月に不二家で消費期限切れの牛乳が菓子の材料に使われていたことが発覚し、8月には北海道の菓子「白い恋人」(石屋製菓)の賞味期限の改竄(かいざん)が明らかになった。伊勢土産「赤福餅(もち)」の製造日偽装や秋田の比内地鶏の偽物販売もあった。
報告書案の食品表示法制定や食品安全情報の集約が求められるのは言うまでもない。ましてや「消費者重視」を掲げる福田内閣だ。食の安全に向け、実効性のある政策を早期に実施できるか福田康夫首相の真価が問われる。
「消費期限」(おおむね5日以内に食べないと衛生的に危険な食品に表示)と「賞味期限」(長期保存が可能な食品に表示)の2種類ある食品の期限表示についても、報告書案は消費期限を中心にしながら「製造年月日」を併記する方向で検討をしている。やはり分かりやすい表示にすべきだ。
中国の毒物ギョーザ事件で問題になった輸入加工食品については農薬のモニター検査を求めているが、限界はある。それゆえ、厚労省と地方自治体の速やかな連絡など行政対応の整備が何より必要だ。