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【教育動向】不登校増加は「保護者の意識」のせい!?

2008.9.4 15:00
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 昨年度に学校を年間30日以上欠席した「不登校」の小・中学生は12万9,254人(前年度比2,360人増)で、2年連続の増加となったことが、文部科学省の調査でわかりました。ところで、この問題をめぐって、ちょっと気になる点があります。同省によると、増加の要因として、「保護者の意識の変化」が考えられるというのです。これは、受け止め方によっては誤解を招きかねませんので、少し落ち着いて考えてみましょう。

 根拠となったのは、同省が都道府県教育委員会に対して、不登校が増えた要因を10項目の中から選んでもらう形で聞き取った調査(複数回答)です。すると、「欠席を安易に容認したり、『嫌がるものを無理に行かせることはない』などと考えたりするなど、保護者の意識が変化している」との回答が、65%を占めました。「人間関係をうまく構築することができない児童生徒が増えている」(93%)、「家庭の教育力の低下等により、基本的生活習慣などが身につかないことが不登校に結びつくケースが増えている」(82%)に次ぐ多さです。

 振り返ってみると、不登校が増加に転じた年度に当たる2006(平成18)年の10月、子どもの自殺事件をめぐって、いじめを示唆する遺書の存在が公表されていなかったり、教員がいじめにかかわっていたりしていたことなどが相次いで明らかになり、学校や教委への不信が高まりました。実際、「学校に行かせるのを控えようか」という声が保護者から挙がったと、文科省にも報告があったといいます。

 しかし、その「保護者の意識の変化」を、どう考えるかが問題です。たとえ保護者のほうから「休ませる」と言ってきたとしても、「安易」なケースばかりでなく、本当に子どものためを思って悩んだ末に決断したケースもあるはずです。それ以前に、学校との関係がうまくいっていたかどうかも、いろいろなパターンがあったでしょう。そもそも、「不登校の要因や背景は一つに特定できないことも多い」(2003<平成15>年4月の同省調査研究協力者会議報告「今後の不登校への対応の在り方について」)のですから、一概に語れるものではありません。

 もし、調査のような状況が全体にあったとしても、個別のケースまで単純に「保護者の意識の変化」のせいにしてしまったとしたら、ますます関係をこじらせ、解決のきっかけをも断ち切ることになってしまいかねません。学校に苦情を言う保護者を一括して「モンスターペアレント」と呼んでしまうような風潮とあわせて、関係者には慎重に受け止める姿勢が求められるでしょう。

 少し心配をし過ぎたかもしれません。けれども、大事なのは、大切なのは、“犯人捜し”よりも、不登校の子の「社会的自立」をどう支援していくかを、関係者が一緒になって考え、対応していくことにあります。調査結果を決して過剰に受け取らず、個々のケースに寄り添いながら、解決の糸口を探っていっていただきたいものです。

(提供:Benesse教育情報サイト

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