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【教育動向】新学習指導要領でココが変わる! 社会編
2008(平成20)年3月に告示された新学習指導要領。このコーナーでは、「変わる」「新しくなる」ポイントを理解し、今後どう勉強していったらよいのかを教科ごとにご紹介します。進研ゼミで教科内容や指導法の分析研究を行う各教科のマスターの解説で、シンプルにお伝えしていきたいと思います。
第5回目は、社会です。
自分の生きる「社会」を知って、考える力を伸ばせるように、知識事項が増えます
社会科は、新学習指導要領の「目標」の変化からわかるように、社会の大きな変化に対応して子どもたちが課題解決をしていけるように、新しい現代的な内容をしっかりと学べるようになります。
小学校では、一部の内容が増えたり変わったりします。たとえば、「47都道府県の名称と位置(小4)」「地域資源の保護・活用(小3・4)」「世界の主な大陸・海洋・国の名称と位置(小5)」「価格や費用(小5)」「狩猟・採集時代の生活(小6)」「国民の司法参加(小6)」などが増えます。
中学校でも、歴史・公民で一部、地理では半分以上の内容に増加変更があります。歴史では、「世界の宗教のおこり」「冷戦の終結」といった世界史に関する内容などが増強され、地理では、現行の学習指導要領で削除された「世界の諸地域の地理」など、世界地理についての内容が戻ってきます。また中3で学習する公民では、「裁判員制度」「文化や宗教の多様性」など、まさに現代の課題についての内容が増えます。
この理由には、現代の課題や日本・世界についてもっと知ってほしいから、ということと、知識を使って考える力を伸ばすには基盤となる知識が少なすぎてはいけないから、という二つがあると思います。
「社会の変化へ対応し、社会参画していく能力」を育てたいというねらいが明確に
私たちの生きる社会は、どんどん変わっていきます。社会のしくみを知らないと、もらえるべき年金がもらえなくなるかもしれません。裁判員制度で、有罪・無罪を判断し、判決に立ち会う人も出てきます。これまで市民は「サービスの受け手」でしたが、今後は「社会に自ら関わり、持続可能な社会を作っていくこと」が求められるようになります。今回の改訂では、自分が主体的に社会参画していくために必要な「金融経済教育」「法教育」「情報教育」などが強化されたと読み取れます。
そして、「考える力」を伸ばすために、授業もさらに多角的・多面的になっていくと考えられます。新しく「価格や費用」の学習が加わる、小5の「我が国の農業や水産業」の授業で考えてみましょう。たとえば、スーパーマーケットに調査に行って、売っている品物について問題点を見つけてレポートする活動では、今までは「トレー(容器)は環境に悪いからなくてもよい」と気付いていた子どもが、今後は「トレーがなくなれば品物の値段も安くなる」という価格に関することまで気付けるようになっていきます。
子どもが自分の使った力を「自覚できる」ことが大切
このような変化は、新しい学習指導要領で示されている、知識・技能の「習得」と「活用」をバランスよく行うことを反映したものといえます。さまざまな角度から生活の中の課題を追うことで、社会科の知識・技能を習得し、それらを活用して考え、判断し、表現する力を付けていくのです。
トレーの例のような課題学習で、「値段が安くなる」ということに子どもが自分で気付くには、「価格や費用」の概念と「トレーの費用は品物の価格に上乗せされている」という事象が結び付くような発問が必要です。比較・分類など、結びつけるための思考練習も大事になるでしょう。さらに、「値段が安くなる」という気付きを経済的な視点として子どもが自覚し、「今後も使える見方だ」と気付いてこそ、再び使える力になります。ですから、「自分で気付く」ができて、「その気付きを自覚させる」ことで子どもの思考力・判断力・表現力を伸ばす……このような指導を目指すことになるのです。
(提供:Benesse教育情報サイト)