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「複雑な思い」 「典子は、今」の白井のり子さん
このニュースのトピックス:子供の安全
厚生労働省薬事分科会が3日、サリドマイドの製造販売を了承した。「大変複雑な思い。薬害は2度と起こしてはいけません」。サリドマイドの影響で生まれながら両腕に障害を負い、昭和56年公開の映画『典子は、今』の主人公の女性、白井のり子さん(46)=熊本市=は、複雑な思いと、安全性の徹底を呼びかけた。
「サリドマイド剤を必要とする人が利用するのには抵抗はない。しかし、製薬会社や医療機関など関係者には、くれぐれも慎重を期しする態勢をつくってもらいたい。『悪魔の薬』といわれる一面もあるのだから」
妊娠中に母親が服用した睡眠薬にサリドイドが含まれていた。両腕のほか、右目の視力をほとんど失った状態で生まれた。「失われた両手を悔やむより、今を前向きに生きたい」。家族とともに、そう懸命に人生を歩んできた。
足で字を書き、マンドリンを弾く…。そんな日常の姿が映画で紹介されると、多くの人の感動を呼んだ。
映画公開後、殺到する講演に戸惑った白井さんは、2人の子供の育児と熊本市役所での仕事に専念してきたが平成18年に退職した。「私が生きてきた半生から『人生を前向きに生きる』ことの大切さを感じてもらえれば」。現在は講演活動などで各地を飛び回る。
「サリドマイドを恨んではいないが、再び薬害が繰り返されてはいけない。本当に適切に使用しほしい」。白井さんは、切実な口調で語った。