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【正論】メタボ診断に疑問続出の理由 精神科医・国際医療福祉大学教授 和田秀樹 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:メンタルヘルス
国際基準と整合性欠く
健康保険組合連合会が先に発表した2007年度決算によると、傘下組合の45%が経常赤字となり、2008年度は高齢者医療制度への負担などが膨らむことで、9割の組合が赤字に陥るとみられるそうだ。
このような健保財政悪化の中、本年4月からメタボリック・シンドローム(以下メタボと略す)の検診が義務化された。検診対象者は5000万人とされ、メタボと診断されれば、保健指導が義務付けられる。薬物療法の対象にもなり得る。このメタボ検診と対策費用は、数千億円から数兆円と見積もられている。
これだけ投資をしても、将来の成人病、とくに心血管疾患と糖尿病を減らすことになり、将来の医療費を大幅に減らせると考えられている。その前提で今回の義務化となったわけだが、その実効性となると疑わしい点が多い。
一つは、今回の義務検診で採用されたメタボの診断基準そのものが、国際的な基準との整合性を欠いていることである。
体格に関係なく、腹囲を診断の必須基準にすることには以前から批判が多かった。とくに男性の腹囲85センチという基準は厳しすぎると考えられていた。ちなみにアメリカは102センチである。女性の基準より男性の基準の方が小さい国も日本だけ。さらに最近になって、国際的に複数のメタボ診断基準の統一の動きがあり、腹囲を診断の必須基準からはずす方向が打ち出されたのである。
こうした国際基準と整合性のない診断基準を用いて、国民的な検診義務化を行うことが許されるのだろうかというのが第1の疑問点である。
むしろ低栄養の日本人
第2の疑問点は、そもそもメタボなるものが、日本人の健康長寿に本当に悪影響を与えるのかの検証がなされていないことである。

