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歯科医療 「予防」確立し活力を 目立つ経営難 専門分野増やす必要も (1/2ページ)
経営不振から歯科医療が活力を失っている。このままでは医療の質が低下し、患者にとっても不利益になる。どうしたら元気になるのか。歯科医に医院(診療所)経営のノウハウをアドバイスしている専門家は「予防治療を確立するとともに、専門分野を増やすことが必要だ」と訴える。その著書では実際の廃業事例を挙げ、リスク管理の重要性を指摘している。こうした姿勢は歯科医療だけでなく、われわれの日常の社会生活の中でも役に立つ。(論説委員 木村良一)
この専門家は、歯科医院経営コンサルタントの堀尾芳裕さん(53)。歯科医院を運営したり、ISO(国際標準化機構)と呼ばれる商品、サービス、医療などの品質管理審査に携わったりしてきた。
堀尾さんは「歯が丈夫だとモノが食べられ、体は健康でいられる。それなのに歯科の治療は歯を削って詰め、神経を採ってまた削って詰める。最後には患者の歯はなくなり、入れ歯になってしまう」と説明する。
問題の多い入れ歯に代わって最近、注目されているのが、あご骨にチタン製の人工歯根を埋め込むインプラントという治療だ。しかし、治療費が高額のうえ、熟練した技術がないと失敗する難点がある。
堀尾さんは「やはり、歯を残すことが大切。そのためには虫歯や歯周病などの予防が必要だ。歯科医は予防治療を確立すべきだ」と主張し、「口腔(こうくう)内のメンテナンスを担う歯科医が、インプラントのような高度技術を持つ歯科医を紹介できるようなネットワークも作りたい」と強調する。
さらに、堀尾さんは「診療科の多い医科に比べ、歯科の専門分野は小児、矯正、審美ぐらい。診療領域を増やす努力も大切だ」と指摘する。
堀尾さんは3年前に『倒れる歯科医院』(日本歯科新聞社発行)を、今年8月には続編を上梓(じょうし)し、その中で経営破綻(はたん)した歯科医院の実例を挙げ、経営改善へのヒントを示している。
例えば、目先の収入に気を取られ、講習会に出席した程度の知識でインプラント治療を施して失敗し、弁護士から多額の慰謝料を請求されて精神的にも落ち込み、窮地に立たされたケース。あるいは、医院の親子間の継承の難しさ、パートナーの死による診療意欲の喪失…などいずれの事例も「人の振(ふ)り見てわが振り直せ」で参考になる。


