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【正論】人権、海洋で日本外交の強化を 日本財団会長・笹川陽平 (1/3ページ)

2008.8.27 02:51
このニュースのトピックス正論

ハンセン病で大きな成果

 日本外交の劣化が指摘されて久しい。「鈴木宗男事件」や田中真紀子外相時代の混乱による外務省バッシングとこれに伴う士気低下、さらにマイナスシーリングによる外務省予算の落ち込みも加わって、日本外交はグローバル化と多極化が同時進行する新たな世界情勢に十分、対応できないでいる。

 国際協力機構(JICA)や国際交流基金など独立行政法人や民間の外交にも陰りが見え、1991年から10年間、世界一を記録したODA(政府開発援助)も2007年は5位まで落ち込んでいる。在外公館の活動も活気が薄れ、同盟国・米国はもちろん、西側諸国との人的交流も低調である。

 外交は安全保障と並ぶ国の要、他省庁と横並びのマイナスシーリングにはなじまない。財政難の中でも前向きの予算対応をし、官民が一体となった積極的な外交を展開することこそ国益にかなう道である。

 沈滞する日本外交の中で特筆すべき成果として、今年6月、ジュネーブの国連人権理事会で採択されたハンセン病患者・回復者に対する差別撤廃決議を挙げたい。メディアの扱いは地味だったが、日本政府が主導し、日本人拉致事件での北朝鮮非難決議に一貫して反対してきた中国、キューバを含め最終的に59カ国が共同提案国に名を連ねた。戦後日本外交は受身に立つことが多く影が薄かった。その日本の積極的な動きに、各国からは驚きと称賛の声が上がっている。

主導権が発揮できる分野

 当の人権理事会は2006年3月、国連の経済社会理事会の下部組織だった人権委員会を発展解消し、総会の直属機関として新設された。人権は開発、安全保障と並ぶ国連の重要テーマに位置付けられており、とりわけ西側各国の関心は高い。

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