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【それってホント?健康情報】診療ガイドライン
■より良い判断の手助けに
近年、「診療ガイドライン」に対する社会的な関心が急速に高まりつつあります。平成11年から、厚生省(現・厚生労働省)がEBM(根拠に基づく医療)を取り入れた診療ガイドラインの作成を始め、現在は各学会が中心になって作られており、広く活用されています。
診療ガイドラインとは、さまざまな臨床上の疑問について、これまでの研究成果から質の高いエビデンス(根拠)を集め、専門家の意見を踏まえて、一般的にはどうするのが良いかを「推奨」の形でまとめ、判断の手助けをするものです。病気に関する現時点でもっとも質の高い有用な情報が、専門家の解釈つきで利用できるので、医療者だけではなく、患者さんやそのご家族にとっても、病気と向き合い、生きていくための貴重な情報源となります。
診療ガイドラインとその一般向けの解説は、医療機能評価機構の「Minds」というウェブサイトを通じて誰でも利用可能です。
診療ガイドラインは大いに有用な情報源といえますが、利用にあたって大事な注意点があります。それは、「診療ガイドラインを金科玉条と考えてはいけない」ということです。
どんなに質の高いエビデンスがまとめられていても、それはあくまで一般論です。さまざまな臨床的な問題すべてに、科学的に答えが出されているわけではありません。主治医をはじめ医療者は、さまざまな情報を勘案し、患者さんの固有の状況を重視して総合的に判断を行います。診療ガイドラインだけが医療を判断する絶対的な基準ではないことを知ってほしいのです。
患者さんと主治医が今後の治療について話し合うときに、一つの手助けとして、傍らに「診療ガイドライン」がある−そんなイメージで、患者さんの満足のいく、そして安心感のある医療が実現されていくことを願っています。
(京都大大学院医学研究科教授 中山健夫)