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【主張】急患拒否 搬送の問題点を改善せよ

2008.3.16 03:34
このニュースのトピックス医療問題

 50回目の照会でやっと受け入れ先が見つかった重症患者もいた。しかもその照会にかかった時間は4時間以上である。これではとても救急医療とはいえまい。

 総務省消防庁が初めてまとめた全国の救急搬送の受け入れ実態調査から信じがたい事実が発覚した。

 調査は計約96万4000件について都道府県を通じて実施された。調査結果によると、医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースは、昨年1年間に計2万4089件に上った。急患(急病の患者)の受け入れ拒否は、その患者の命にかかわる。それだけに深刻な問題である。

 まずは救急搬送システムを十分点検して問題点を見つけ出し、早急に改善しなければならない。

 総務省は、病院側が消防に空きベッドの状況を知らせる情報システムについて「1日に2回程度しか情報の更新をしない医療機関が多く、システムそのものが役に立っていない」と指摘している。

 消防庁の検討会の提言にもあるように救急病院はその状況に応じて迅速に情報を更新すべきだ。消防からの電話照会に事務員や警備員ではなく、病院内の状況を十分把握している医師や看護師が直接対応することも必要だ。

 受け入れ拒否が東京や大阪など大都市とその周辺都市に集中していることも今回の調査で分かった。消防庁は「医療機関の数が多く、ほかの病院が受け入れてくれると思い込んでいる可能性がある」と分析している。

 当直のとき、治療が難しく医療事故につながりそうな急患を引き受けると、後で上司や同僚に非難される。本当だろうかと疑いたくなるような話も一部の医療現場にはあるという。

 医療関係者は自らの仕事の重要性を自覚し、きちんとその責務を果たすべきである。

 患者側も救急病院の過度の利用は避け、負担を減らしたい。

 救急搬送の受け入れ拒否は、昨年8月に奈良県で妊婦が受け入れを10回以上断られて死産したことがきっかけで社会問題化し、消防庁は厚生労働省に救急医療体制の充実を求めてきた。

 根本的には医師不足や救急病院減少の問題がある。それらを解決することも急務であろう。

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