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【主張】はしかの流行 若者は予防接種をしよう
「現状のままでは今月から4月にかけて流行がさらに拡大する可能性が高い」。厚生労働省の研究機関の国立感染症研究所がこう指摘し、はしかのワクチン接種を呼びかけている。
感染しやすいのは予防接種を受けていないか、あるいは接種しても抗体(免疫力)ができていなかったり、抗体が弱まったりしている若者だ。
心配な人は医師に相談して早めにワクチンを接種すべきである。はしかは体力を消耗する疾病で、大人になってからの罹患(りかん)は症状が重い。子供がかかる軽い病気と侮ってはならない。
麻疹(ましん)ウイルスによる感染症がはしかである。10日前後の潜伏期間の後、風邪のような症状を経て全身に発疹(はっしん)が出る。くしゃみやせきで空気感染するから感染力は極めて強い。
合併症として肺炎や中耳炎のほか、1000人のうち1人の割合で脳炎にかかる。脳炎を引き起こすと、15%が死亡し、25%が脳性まひなどの脳障害を患う。
治療薬はなく、治療は頭を冷やして熱を下げ、栄養の高い食事をとるなどその症状に合わせた対症療法だ。
しかし、一度かかると終生免疫が得られ、再び感染することはまずない。だから事前に体に抗体をつくるワクチン接種が有効なのである。
厚労省は一昨年4月から、1歳のときと小学校入学前の1年間の間の計2回のワクチン接種を呼びかけるとともに、今年4月からは高3と中1を対象に接種費用を公費でまかなう定期接種を始める。ワクチンも昨年の2倍の450万人分を用意した。
こうした予防接種政策を推し進めるべきである。
厚労省によると、昨年は4月から7月の4カ月間に大学や高校を中心に計263校が休校した。高校生や大学生に患者が多いのは、平成6年に予防接種が義務から任意の勧奨に切り替わり、小学校での集団接種がなくなったからだという。自然界で麻疹ウイルスが少なくなり、自然に感染して抗体が強化される機会が減ったことも流行に拍車をかけているようだ。
それにしても日本は「はしかの輸出国」と国際的に批判されている。ワクチン接種の徹底化でなんとかその批判をなくしたい。