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【主張】事前対応ワクチン 早期接種の検討を始めよ
「新型インフルエンザ」の本格的ワクチンを量産するには半年以上かかる。
このため政府の対策の行動計画と指針では、どこかの国で「新型」が出現した場合、当面の措置として備蓄中の「プレパンデミック(世界的大流行前)ワクチン」を打ち始めるよう定めている。
すでに政府は、45億円をかけて人に感染した鳥インフルエンザウイルス(H5N1タイプ)から1000万人分のプレパンデミックワクチンを作り、昨年3月以降、原液の状態で備蓄している。
しかし、厚生労働省によれば、そのワクチンもあと2年ほどで効き目がなくなるという。しかも、原液をアンプル(小容器)に小分けするだけで最低2カ月を要し、投与して人体に免疫ができるまでには、さらに1カ月が必要だ。「新型」発生後の投与では遅すぎるとの専門家の指摘もあるほどだ。
そこで提案したい。「新型」はいつ発生してもおかしくないのだから、プレパンデミックワクチンを現時点で打ち始めることを検討すべきではないか。専門家の間ではすでに議論されているし、スイスやフィンランドではその準備を進めている。「新型」の発生を待つまでもないだろう。
いまから計画的に打てば、いざという時のパニックも避けられよう。指針に示された投与の順番(医療従事者や社会機能維持者らから優先的に接種)の問題点も具体的に把握できる。
“丸腰”状態で空港や港で検疫に従事している職員にとっても最善の予防策になる。ワクチンは人に投与する臨床試験(治験)も行い、基本的な安全性は確認されている。追加の1000万人分のワクチンも製造中である。
インフルエンザウイルスの治療薬(タミフルやリレンザ)には、それが効かない耐性ウイルスの問題がどうしても残る。その点、人体に免疫を作って感染を予防するワクチンにはそうした問題はない。
ただ、インフルエンザワクチンの場合、できた免疫は半年しか持たない。「新型」がH5N1以外のタイプだと効果はない。すべての国民に投与できる体制もまだ整っていない。これらの問題点も踏まえながら、投与を始めるよう検討を進めてほしい。