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【すごいぞ日本】近未来職人(1)プロが震える音のカリスマ (1/2ページ)
■プロが震える音のカリスマ
7年余りにわたって活動を停止していた米ロサンゼルス出身の4人組ロックバンド「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」が、千葉市の幕張メッセ国際展示場で日本公演を行ったのは2月のことだ。再結成に際して新作を発表したわけでもないのに、日本でも2日間のステージに計3万5000人もの若者が詰めかけている。
1990年代以降のバンドの中で最も過激な“インテリ反体制派”とされるレイジが、いまなお若者を魅了してやまないのはどうしてなのか。その大きな理由のひとつは、99年に大ヒットした米SF映画「マトリックス」のエンディングテーマに彼らのデビューアルバム収録曲「ウェイク・アップ」が使われていることだろう。
92年のデビュー当時、レイジは極めて政治的な歌詞で耳目を集めたが、実はそれ以上に注目されていたのが高い音楽性だった。映画「マトリックス」の監督・脚本を担当したウォシャウスキー兄弟はレイジの大ファンで、「マトリックス」の脚本は、「ウェイク・アップ」をガンガン聞きながら書き上げたといわれる。
レイジの曲が映画のエンディングに起用されたのではなく、実は「ウェイク・アップ」があったからこそ「マトリックス」は生まれた。この大いなる逆説は音楽関係者の間ではすでに有名な話なのだが、その近未来サウンドを録音スタジオで作り上げたのが日本人だったことはほとんど知られていない。
「僕がロスにやって来たころ、国際的に日本人はもっとシャイでしたね。ところが最近は受け入れ側の米国の音楽や映画産業も、日本の才能がやって来るのを待ち構えている。隔世の感があります」
録音エンジニア兼プロデューサーとしてロサンゼルスで活動を続けるスタン・カタヤマさんは、レイジのデビュー作の仕事で95年グラミー賞の最優秀エンジニア賞候補になった。緻密(ちみつ)で繊細な“耳”が要求される裏方の仕事で、日本人が米音楽界の最高峰・グラミー賞の候補になるのはこのときが初めてだ。
ヘビーメタル、パンク、ヒップホップといったそれまでのロックの要素を組み合わせ、そこに近未来感覚のデジタルサウンドを溶け込ませた。こう評されるレイジの革新的サウンドは、カタヤマさんの存在を抜きにしては語れない。
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