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【サブカルさーふぃん】マンガ 「ピースオブケイク」
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「何者でもない」人間たちの恋
恋愛もいいだろう。夢を持つのも結構。でもあんまりその素晴らしさばかりをうたわれると、かえって疲れてくる。かといって、いまさらフリーセックスだなんて冗談だ。
ジョージ朝倉の『ピースオブケイク』(祥伝社)は、何者でもない人間たちの吹きだまり。やりたいことはあったけど、ちょっとつまずき中。それをなにか別な形で発展させる決定打はまだ見つからない。主人公・志乃は自分をばかにする男と切れたけど、ソイツと“脳内会話中”の日々に、また気になる異性が登場する。それは何かが起きてほしいという余白を楽しみ続けたいから? いつしかそんな気持ちが結晶化したのか「恋」だと意識した。
でもソイツはソイツで、小説家志望のひきこもり女と同棲(どうせい)中。彼自身は夢を持つのが怖いのか。それはお荷物な女を抱え込んでしまうことと関係あるのか。彼はレンタルビデオ屋の店長30歳。その店は志乃のバイト先。色んなドラマが棚にいっぱい詰まっている。だったら、今さら自分たちがドラマを経験する必要はある?
「美しい事を成し得た事など無いのです」。それでもどうしようもなく、人は人とぶつかり、揺れ動いてしまう。「のたうちまわるがいいさ!」。店長がオススメのヤクザ映画に書いた推薦文に励まされる。(評論家切通理作)

