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【WOWOW】「クワイエットルームにようこそ」 16日(木)深夜0・0〜

2008.10.12 08:12
このニュースのトピックス国内女優

 閉所恐怖症という言葉がある。閉ざされた空間に恐怖を感じる症状である。この映画の主人公、明日香(内田有紀)は、目を覚ますと自分が狭い部屋の中で手足を拘束されていることに気づく。ここはどこ、なぜ自分が、といろいろ考えるが記憶はなかなかよみがえらない。次第に分かったことは、精神科病院の閉鎖病棟にある保護室(クワイエットルーム)に閉じ込められていることだ。

 こんな刺激的なオープニングから始まるこの作品は、松尾スズキ、宮藤官九郎、阿部サダヲといった個性的な役者を擁する劇団「大人計画」の主宰者、松尾による長篇映画第2作。芥川賞候補作にもなった自作の小説を、豪華キャストで映画化したものである。明日香が病棟に入った謎をタテ軸に、閉鎖病棟にいる患者たちの思考や行動をヨコ軸に、都会に住む不眠症気味だった一人の女性が「自分」を取り戻すまでの物語をていねいに描いている。

 小道具として使われるエッシャーの「無限階段」のジグソー・パズルや、「オズの魔法使」の主人公、ドロシーと同じ髪形の明日香も、やや単純ながら監督の目配りである。「再生」を描いた決して「明るく泣ける」作品ではないが、才人、松尾氏が舞台を離れ、映画を撮ることの楽しさに身を委ねて作られたものである。

 演じる女優陣も多彩な顔ぶれだ。看護師のりょう、過食症の大竹しのぶ、拒食症の蒼井優(ドレッドヘア!)を中心に芸達者な面々が楽しげに演じている。とくに大竹しのぶの怪優ぶりには驚かされる。しかし彼女の演技を受け入れられるかどうかで、この映画に対する評価が異なるかもしれない。それだけ個性的な作品なのである。(映画評論家 寺尾次郎)

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