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【人、瞬間(ひととき)】あの飛行 落語家・桂文珍さん(59)(下) (1/2ページ)
■愛機でこなしたトリプルブッキング
「空を飛んでいるときは、あの雲の質量はどうだろう、気流はどうだろう、どこを通れば燃費がよくて、あまり揺れずに飛べるだろう。そんなことを考えて操縦してます。地上ですか? うーん、見ませんねぇ」
平成2年に飛行機の操縦免許を取り、地方公演に行くときに自家用機を使うこともあるオーナーパイロット。空を飛ぶ楽しさについて質問すると、そんな答えが返ってきた。上空から見た四季折々の日本列島の美しさを、話術のプロがどう表現するのか聞きたかったのだが…操縦士というのは、そうかもしれない。
しかし、飛行機と落語、ふたつのかけ離れた世界について、興味深い話を聞かせてくれた。
「お客さまというのは気流と似ているかもしれませんねえ。私の前の出番で、高座に乱気流を起こしたまま帰っていく芸人もおりますから(笑)。そういうときは、目に見えないお客さまが発する気流をとらえて安定させて、こちらの世界にうまく導いていかなきゃいけない」
愛機で空を飛んでいると、大型機が起こす乱気流に遭遇することもしばしば。そこで機体を安定させる技術が必要になる。一方、客席の雰囲気は「空気」と言われる。なるほど、通じるところはあるのかもしれない。
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